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  • ORCALAND
    この世から消えてしまいたくなる様なときに
    この世から消えてしまいたくなる様なときに

    ORCALAND

    この世から消えてしまいたくなる様なときに

     2026年7月8日に“ORCALAND”が3rd Mini Album『MAGIC×MAGIC』をリリースしました。ミニアルバムのリリースは前作『HERO’S HIGH』以来約2年半ぶり。王道のギターロックの雰囲気を感じながらも新進気鋭なサウンドが武器のORCALANDらしい、キャラクターの異なる7曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“ORCALAND”の大塚祥輝による歌詞エッセイを3日連続でお届けします。第2弾は収録曲「 成仏Come true 」にまつわるお話です。TVアニメ『うしろの正面カムイさん』と向き合ったとき、注目したとある姿。そこから描いたメッセージとは…。 今日のうた をご覧の皆さま! 元気してますか? ORCALANDボーカル ヨシキです   今回は 2026/7/8リリース『MAGIC×MAGIC』より 「成仏Come true」についてお話させていただきます   この曲は TVアニメ『うしろの正面カムイさん』 OP主題歌として書き下ろしさせていただいた曲。 ORCALANDとしては初のアニメタイアップとなります。祝!!!!!   バンドが書いているアニソン大好きっ子としては いかに曲自体のメッセージを作品とリンクさせるか が非常に重要な論点であり、拘りでございます ですので、まずはわたくしなりの視点で 『うしろの正面カムイさん』について解説させてください   この作品は霊能者カムイさんがとんでもない手法で怪異を除霊していく ホラーコメディです。 怪異達にはそれぞれ、怪異となった経緯や特性があり カムイさんはその特性に沿った弱点(?)をつき、怪異達を昇天させます。 ワタクシが目を付けたのは昇天する怪異達の幸せそうな様 つまり、願いがかなった姿でございます   私が考えるロックバンドの音楽において重要な事の一つとして 感情の発露、言葉にならない心の叫びを音楽のメッセージとして届ける というものがありまして 「成仏Come true」においては “怪異の視点”から言葉を選び 生前の悔いや本当の願いの開放を望むメッセージを描きました。   核となるのは 2番の歌詞<一番幸せな時に死にたい、逆にそれまで生きていたい> 死してなお現世に憚る怪異達を“未だに生きてしまっているもの”と捉えて 作品の中の怪異達の感情の代弁として そして今を生き、悩む人達へのメッセージとして ひいてはこの曲を書いた自分自身の感情の発露の言葉として採用しました 自分自身の人生観として現状より幸せになれる可能性が1%でもあるのであれば死ぬことはできないと思って生きているので、この曲に秘められたメッセージを受け取ってくれた 記事をここまで読んでくれるような貴方への一つの言葉として この世から消えてしまいたくなる様なときに この曲のメッセージが明日を生きる一つの理由になればいいな、と思っています   <ORCALAND・大塚祥輝> ◆紹介曲「 成仏Come true 」 作詞:大塚祥輝 作曲:大塚祥輝   ◆3rd Mini Album『MAGIC×MAGIC』 2026年7月8日発売 <収録曲> 1 スラップ・マジシャン 2 成仏Come true 3 おてんとうさま 4 貴方をまつやさしい場所 5 天使の止まり木 6 はじまりの衝動 7 ロックアウト  

    2026/07/15

  • ORCALAND
    魔法をかける。
    魔法をかける。

    ORCALAND

    魔法をかける。

     2026年7月8日に“ORCALAND”が3rd Mini Album『MAGIC×MAGIC』をリリースしました。ミニアルバムのリリースは前作『HERO’S HIGH』以来約2年半ぶり。王道のギターロックの雰囲気を感じながらも新進気鋭なサウンドが武器のORCALANDらしい、キャラクターの異なる7曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“ORCALAND”の大塚祥輝による歌詞エッセイを3日連続でお届けします。第1弾では、今作『MAGIC×MAGIC』に込めた思いを綴っていただきました。音楽によって生まれる“魔法”と“魔法”の掛け算とは…。 今日のうた をご覧の皆さま! この記事を見てくれてありがとうございます。 ORCALANDボーカル ヨシキです   今回は 2026/7/8リリース『MAGIC×MAGIC』 についてお話しさせて頂きます   ORCALANDとしては3枚目となるミニアルバム 前回リリース『ぶちあげる-EP』『だきしめる-EP』 ではORCALANDの“あらゆるポジティブを生み出す”という姿へ切り込んだ作品としてリリースしました。   今作では、放った音楽が作り出した感動の体現を目指しています   ロックバンドの放った音楽によって生み出される感情。 それは何もなかった心に突然降って湧く、いわば魔法の様なもの。 感情を一曲ごとに別々に切り取ったのが今アルバムの曲たち、いわば魔法でありますが ライブバンドORCALANDは、前作の曲たちがリスナーの力によって 想像もしていなかった景色を作り出す 魔法の様な空間、ライブを何度も味わってきました つまり、我々も魔法を届けているつもりが リスナーの皆様の熱狂という魔法にかけられていたのです   本作『MAGIC×MAGIC』は ORCALANDの放つ、本気の音楽による魔法 魔法を浴びたリスナーの、本気の昂ぶりによる掛け算 そうして生み出される際限ない熱狂を、アルバムの完成として置いています ですのでリリース直後の現在は、本アルバム左項『MAGIC』しかない状態。 これから全国を回って色んな街や人に出会って 様々な形の『MAGIC×MAGIC』が完成するという訳です ワクワクする~   魔法をかける。なんて大仰に聞こえるかもしれませんが 本気でそう思えるくらい言葉に向き合って、音楽に向き合って ORCALANDチーム全員が納得して作り上げた今作。 俺は他でもない貴方と、このアルバムがどんな姿を見せてくれるのか どんな魔法を作り上げるのか見てみたいです 俺にとっては、貴方も、魔法使いの一人なのです   <ORCALAND・大塚祥輝> ◆3rd Mini Album『MAGIC×MAGIC』 2026年7月8日発売 <収録曲> 1 スラップ・マジシャン 2 成仏Come true 3 おてんとうさま 4 貴方をまつやさしい場所 5 天使の止まり木 6 はじまりの衝動 7 ロックアウト

    2026/07/14

  • Bye-Bye-Handの方程式
    僕が音楽を書き続ける理由
    僕が音楽を書き続ける理由

    Bye-Bye-Handの方程式

    僕が音楽を書き続ける理由

     2026年6月24日に“Bye-Bye-Handの方程式”が最新作『僕らは涙を流さない-EP』をリリースしました。今作は、これまでサポートドラマーを務めていた塚川由祐の正式加入後初となるEP。バンドの原点に立ち返り、衝動や少年性を詰め込んだ全5曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“Bye-Bye-Handの方程式”の汐田泰輝による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、『僕らは涙を流さない-EP』の制作期間、そして今作に込めた思いについてのお話です。改めて考えた、自身が音楽を書き続ける理由とは…。 2026年6月24日にBye-Bye-Handの方程式が新体制となって初めてのNEW EP『僕らは涙を流さない-EP』をリリースした。 制作期間に起きたたくさんの日々の出来事や、さまざまな感情の揺れが、この作品を完成させた。   この文章を綴りながら、改めてこのEPや制作期間について考える。 7月12日で27歳になる僕。10年以上やり続けたバンド。僕の人生の全てだと言える。メンバーが抜け、新しく仲間が入ってくれたこと。 10年という時間がまるでなかったように感じるくらい、考え、悩み、走り抜けた制作期間だった。   僕らの音楽を聴いていた頃がある人たち、今も聴いている人たち、未来で聴いてくれる人たち。僕らにとって全員が大切だ。 そこに順位をつけることはできない。   それでも、バンドをやり続けるなら数字を見続けないといけない。見なければならない。 でも、ライブを見に来てくれる人は数字ではない。 ステージに立つと、そこには一人一人ちゃんといる。見えている。顔は分からなくても、リリースするたびに感想をくれる人がいる。僕を今動かしているのは、数字ではなく、Bye-Bye-Handの方程式というバンドを愛してくれる人、それぞれ一人一人だ。 僕はそんな人たちをいつまでも見つけていたい。大勢の中の一人ではなく、一人一人として、みんなに歌いたい。歌を届けたい。   僕は今まで、自分の感情に焦点を当てた曲をあまり書いてこなかった。それでも、一人一人と目を合わせるために、初めて僕のことやバンドのことを歌いたいと思った。 今回のEPは、僕やバンドの全てを書いたEPだ。そこには偽りや幻想は一つもない。   みんなの日常で起こる悲しいこと、嬉しいこと、楽しいこと、嫌なこと。その隣に僕たちの音楽が一瞬でもいてくれたら、それが僕が音楽を書き続ける理由だ。   これを書いている間も、もう次のリリースについて考える。僕たちは、みんながいる限り終わらない。このEPを聴きながら、また次のリリースを楽しみにしていてほしい。   <Bye-Bye-Handの方程式・汐田泰輝> ◆最新作『僕らは涙を流さない-EP』 2026年6月24日発売   <収録曲> 01. 春窓 02. 恋するemoji 03. 暗がりから笑え   04. orion ring 05. しゃーないしゃーない!(Bonus track) ※CDのみ収録

    2026/07/13

  • 『ユイカ』
    青春が見えなかったあの頃のように
    青春が見えなかったあの頃のように

    『ユイカ』

    青春が見えなかったあの頃のように

     2026年6月8日に“『ユイカ』”が新曲「 青春は見えない 」をリリースしました。学生時代をコロナ禍で過ごした世代である『ユイカ』が、当時を今の視点で振り返り描いた楽曲。“過ぎた後に初めて気付く青春の日々“が歌詞に込められた、“青春は若者だけのものではない”というメッセージを歌った1曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“『ユイカ』”による歌詞エッセイを3か月連続でお届けします。今回は第2弾。 第1弾 に引き続き、新曲「 青春は見えない 」に通ずるお話を綴っていただきました。思い出は、いつしか少しずつ美しくなっていくもの。過去を振り返り、「今」という時間を見つめ直したとき、気づいたことは…。 思い出って、いつか綺麗になっちゃうから。   あの頃は来なくていいと思った部活の時間も、眠すぎるお昼休みが終わった後の5時間目の古典も、汗だくで自転車漕いで制服が背中にくっつくあの感じも、今はとても尊くて、綺麗なものに感じてしまう。 あ、テスト期間は別に大人になってからもやだなって感じるよ。   あの頃の破片を見つけて、あの頃に埃が被らないように引っ張り出して、あの頃を綺麗にして、あの頃の箪笥にしまう。 私たちはそれを無意識に何度も繰り返してしまう生き物だから、過去が綺麗になって、それに比べて今をより苦しくさせる。   大人がこんなことをよく言ってしまうもんだから、子どもの頃の私はびくびくしながら生きていた。 大人になるのが怖くて、大人になったら嫌なことばかりしなくちゃいけなくて、でも生きるためには仕方ないことだって思ってた。   私は今、未熟な大人になった。 未熟な大人として思うことは、意外と世界は自分の手で変えられるということ。 「今から始めてももう遅いかもな」って思って諦めかけた音楽の夢。 「でも後悔も、挫折もしたくない」って思って挑戦した音楽の夢。 今こうして音楽をやれているのは、あの時自分がこの道を選んでくれたからだと思う。 「もうこんな歳だし現実見なくちゃな」って思って一生引きずるくらいなら、悔いが残らないくらい挑戦した方が絶対いい。 夢は何歳になっても叶えられるから、子どもだけが最強じゃないから!   青春が見えなかったあの頃のように、今もまた、幸せな世界を生きていることが、見えていないのかもしれない。   <『ユイカ』> ◆紹介曲「 青春は見えない 」 作詞:『ユイカ』 作曲:『ユイカ』 

    2026/07/10

  • SIX LOUNGE
    スウィートジャーニー
    スウィートジャーニー

    SIX LOUNGE

    スウィートジャーニー

     2026年6月3日に“SIX LOUNGE”がニューシングル「さよならじゃない方がいい」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『最強の王様、二度目の人生は何をする?』Season2 OP主題歌。アニメの世界観を汲み取ったナガマツシンタロウの歌詞に、SIX LOUNGEらしい爽やかなロックンロールサウンドが映える1曲になっております。    さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを2週連続でお届けします。第2弾は新曲「 さよならじゃない方がいい 」にまつわるお話です。芸術に救われながら見つけた、過去との付き合い方とは。そして今を生きるあなたへ伝えたいことは…。 追いかけなくなった過去ってありますか?   諦めるという事ができるようになって 大人になるってそうなのかと ポツンと脱力した瞬間って覚えてる?   過ぎてしまったこと 手の届かない永遠 その幻影を夢中で追いかけてしまうと 夢から覚めた時 まわりにはもう誰もいない   俺にとって それを許してくれるものが 絵画、小説、音楽、映画、 芸術たちで いつだって形を変えずにそこにある いつだってあの瞬間に帰ることを許してくれる いつだって大きな腕を広げて待っててくれて いつだってその胸の中に飛び込んでいける でも何かしてくれるわけじゃない   お前が悩んでいる事に対して 俺は答えを出す事はできないけど 受け止められる存在でありたい 答えに辿り着くまでの きっかけになりたい   振り返る事は悪い事じゃない さよならもしなくていい むしろ お前がお前でいられるなら まっすぐ進むためにも 過去は捨てちゃいけない しかし 追いかけてはいけない   俺もお前も 目の前にあるやるべき事を ひとつずつやっていけば良い 焦らなくて良い 疲れたら、心が弱ったら、 俺たちを選んでほしい だから忘れないでほしい   完璧な人間じゃない お互い様だね 得意なことも そうじゃないとこもある 俺らが偉いんじゃない お前が偉いんじゃない ズルもするし、弱いし、逃げるし、怒る 当たり前に人間だから 生きてかなきゃいけない 死にたくなっても 死ねない理由がある ひとりの人間として やるべき事がある   何が言いたいのかわからなくなってきた   とりあえず お互いこんな 悩み尽きない日々ですが それなりに笑顔できていけたら 幸せだよね   それじゃあ、またね   <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 さよならじゃない方がいい 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ ◆ニューシングル「さよならじゃない方がいい」 2026年6月3日発売   <収録曲> 1.さよならじゃない方がいい 2.さよならじゃない方がいい -TV Size version- 3.さよならじゃない方がいい -Instrumental version- 4.さよならじゃない方がいい -Vocal Only version- 5.さよならじゃない方がいい -Minus Guitar version- 6.さよならじゃない方がいい -Minus Drums version- 7.さよならじゃない方がいい -Minus Bass version-

    2026/07/09

  • ジ・エンプティ
    「渚にキッス」ができるまで
    「渚にキッス」ができるまで

    ジ・エンプティ

    「渚にキッス」ができるまで

     2026年7月8日に“ジ・エンプティ”がDigital Single『渚にキッス』をリリースしました。精力的にライブ活動を行い、注目を集める彼らの最新作は、ジ・エンプティ初のサマーソング。寄せては返す波のように揺れ動く“男女の関係性”を表現した楽曲です。甘さと切なさが混在するリアルな歌詞が胸を締め付けながらも、ジ・エンプティらしく明るく照らしてくれる夏曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“ジ・エンプティ”のトクナガシンノスケによる歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、新曲「 渚にキッス 」にまつわるお話です。この歌ができるまでの軌跡、曲に対する思い。そして、とくにお気に入りのワンフレーズは…。ぜひ、今作とあわせてエッセイをお楽しみください。 今年の春に 「桜ハナビラ」 という曲をリリースさせていただきました。とても好評だったので嬉しくなった勢いで夏の曲も作っちゃいました。   思い立ってから曲のほとんどが完成するまでにかかった時間は恐らく1時間程度。 個人的にスラスラ浮かんだ曲の方が良いモノが出来やすいと思っています。曲の方からその曲が秘めている歌詞やメロディ、ビートやコードを教えてくれる、不可抗力で落ちてくるような感覚です。新曲「渚にキッス」もそうでした。本当に運がよかったです。ありがとう渚。   歌詞の登場人物は2人の男女のみ。僕の頭の中では年齢も容姿もお互いの矢印についても答えはありますが、聴き方は自由です。過去の自分と重ねても、世界観を自分なりに想像しても構いません。とにかく気に入ってくれると嬉しいです。   自分の作った曲というのは子供のような感覚に近く、曲の良いところばかりみえてしまうモノでついつい甘やかしてしまいます。出来上がったら友達や家族に聴かせて「いいでしょ」って自慢したいんです。後から問題点に気づいても結局そこも愛せたり。今回も可愛い子が生まれたので大事に聴いてほしいです。   個人的に好きな部分はラストの<あなたは私の夏 ひどい生活 誰よりも熱く>です。   曲の気に入った部分をちゃんと覚えておくと、自分の好きを大事に出来ている気になれるのでおすすめです。   今年も夏が来ますね。   <ジ・エンプティ・トクナガシンノスケ> ◆紹介曲「 渚にキッス 」 作詞:トクナガシンノスケ 作曲:トクナガシンノスケ

    2026/07/08

  • インナージャーニー
    終わらない夜の守り方
    終わらない夜の守り方

    インナージャーニー

    終わらない夜の守り方

     2026年7月3日に“インナージャーニー”がメジャー2ndシングル「終わらない夜の守り方」をリリースしました。聴く人に安心感を与える“お守り”のような存在として、心地よいサウンドでリスナーの心を優しく包み込んできた彼ら。今作のタイトル曲は、TVアニメ『世界最強の後衛~迷宮国の新人探索者~」のエンディングテーマとなっております。  さて、今日のうたコラムではそんな“インナージャーニー”のカモシタサラによる歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、新曲「 終わらない夜の守り方 」にまつわる物語。夢か現実か、異世界か…。“明大前の裏側”で見たもの、気づいたこと、そして思い出したこととは。  2025年7月15日の夕方。ラジオ収録を終えたわたしは、井の頭線明大前駅の改札を抜けて歩いていた。疲れた足を引きずりながらも新曲を書き上げなければいけない。太陽が沈みかけた夕方、雨上がりの空の一点をじっと見つめてみる。すると突然空に曲線を描いた亀裂が入り、パカっと二つに割れてしまった。経年劣化したトイレの蓋のようだった。裂け目の向こうは金色に光っていて、ラメ入りのマニキュアのようなきらきらとした液体が今にも溢れ落ちてしまいそう。周りは誰も気づいておらず、とっさにスマホのカメラを起動したがなにも映らない。わたしは直感で光へと向かった。夢だったら確実に飛べる、一か八かの可能性をかけて片足でトスっと地面を蹴り上げる。するとなんと空のほうからこちらに近づいてきたではないか。不可抗力で金色の裂け目に吸い込まれ、世界から音が消え、目の前が貧血の直前のような緑色の景色になる。もうだめだと強く目を瞑り、かれこれ3分くらい経っただろうか。おそるおそる目を開けると、わたしは明大前の裏側にいた。    昔から知っていたような、初めて見る景色。暗闇の中、「ここはどこ?」と聞いても返ってくるのはF♯majの音だけ。死んだのかもしれない。しばらく狼狽えていると、遠くのほうに人だかりができている。道行く人の話によると、どうやらこれから新しい職業に就かなければいけないらしい。しかも選べる。なんのこっちゃわからないままかなり悩んだが、やっぱりわたしはこの世界でもまだ音楽がやりたい。というか今はなんとしても、『世界最強の後衛』のEDを完成させたい。初めて決まったアニメの書き下ろしだ。お医者さんに渡す問診票の職業欄の表記でもいつも迷うわたしは、音楽家?作曲家?バンドマン?アーティスト?自営業?だと守りに入りすぎか、などと散々考えたあげく、なんでもありな気がして「メジャーアーティスト」と名乗った(満を持してキングレコードからデビューしました!ありがとうございます)。    メジャーアーティストカモシタは、この世界でどうみても物語の中心にいるであろう人間の後ろをばれないように着いていくことにした。後部有人と名乗るその人物は、どうやら職業欄に「後衛」と書いてしまったらしい。仲間の背後を守るというその職業はこの世界でも珍しがられていたが、少し経つと彼の周りにはたくさんの味方が増えていた(詳しくは毎週日曜日の夜、テレビの向こうを覗いてほしい)。とにかく旅が進むほど、この人といれば大丈夫だと思わせてくれたのだ。それは、絶対に全員で生き延びることを考えていて、誰のことも置いていかなかったからだと思う。生きるか死ぬかの状況ですべてを優しく包み込み受け止める姿は、変わることのない大きな夜空のようだった。    わたしは前の世界のことを思い出していた。よく「明けない夜はない」と言われるが、わたしは朝が怖い。自分の輪郭をはっきりと捉えられてしまう朝。みんなが一斉に動き出し、すべてが始まる朝。外側に向かうエネルギーよりも、わたしは、心の隠れ家のような暖かさがほしい。息を吸って吐いて、自分の存在を確かめたい。少しでも明るいほうへ進むためには、心の中に夜を作ることが必要なのだ。きっと、仲間やわたしの心の中の夜すらも守ってくれたから、彼を信じることができたのだと思う。    なにか、思いつきそうだった。メロディと歌詞がすぐそこまで来ている。もしかしたらわたしは、争いが絶えないこの世界に音楽を添え、物語を締め括るために呼ばれたのかもしれない。これからどんなにしんどい時代が来ようとも、音楽はいつだって自由だ。    気がつくとわたしは、明大前にいた。けれどさっきとは景色が違って見える。スマホの写真フォルダは変わらないままだが、ボイスメモには新規録音が1件追加されていた。タイトルは「終わらない夜の守り方」。どうかこの曲が、あなたの心の中の夜を守りますように。   <インナージャーニー・カモシタサラ> ◆紹介曲「 終わらない夜の守り方 」 作詞:カモシタサラ 作曲:カモシタサラ ◆メジャー2ndシングル「終わらない夜の守り方」 2026年7月3日発売 https://innerjourney.lnk.to/owaranaiyoru

    2026/07/07

  • Omoinotake
    FLASHBULB
    FLASHBULB

    Omoinotake

    FLASHBULB

     2026年7月2日に“Omoinotake”が新曲「FLASHBULB」をリリースしました。TVアニメ『花ざかりの君たちへ』 第2期オープニングテーマに描き下ろされた楽曲。瞬間的な光のような青春時代の煌めき、<君>がいるからこそ輝き出す日々の情景や感情を、駆け出したくなるようなサウンドにのせて歌った楽曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“Omoinotake”の福島智朗による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、新曲「 FLASHBULB 」にまつわるお話です。青春をテーマに曲を書いているなか、ずっと頭の中にあった中学時代のあの音や景色、感情とは…。 中学。終礼が終わってすぐ、チャリで和田楽器まで駆け出す。 楽器を持ってる日もあれば、持ってない日もあった。 とにかく放課後に和田楽器。行けば誰かしらと会えたから。   だいたい15分くらいの道のり、漕ぎまくる、中学生特有の爆走。 後ろから「ぜぇぜぇ」と呼吸音が聴こえる。 一人だけ「走り」で追従してる男がいる、森脇だ。   森脇は家が理不尽に遠かったから、バス通だった。 音楽が大好きで、すぐに仲良くなった。 一緒に和田楽器に通い詰め、ついにギターを買うまでに至った。   雨の日も風の日も雪の日も、森脇は走った。 信号待ちで「大丈夫?」と声をかけるけれども、 全然大丈夫そうじゃない声で「大丈夫です…!」と言い切る男だった。 大人になった今でも、連絡を取り合う数少ない親友だ。   「青春」をテーマに、この曲を書いてる中で、いつも頭の中にいたのは 「ぜぇぜぇ」と鳴る呼吸音、冬だって汗ばんだ姿、VANSの足音、 ダサくて付けたくなかったヘルメット、大好きな音楽が在る場所へ、 大好きな友達と向かう時の、胸の高鳴り。   そんな帰り道の風景だった。 それはまるで写真のように、笑ってしまうくらい鮮明に、 僕の中に在り続ける、一瞬の輝きの連続だった。   P.S.森脇へ。 たまにチャリより早く走ってた日、あったよね。気のせいかな。 陸上部入ってたら、多分天下取れてたんじゃないかと、今になって想うよ。   <Omoinotake・福島智朗> ◆紹介曲「 FLASHBULB 」 作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央 

    2026/07/06

  • SIX LOUNGE
    まっくらやみのなかからこんにちはきみへ
    まっくらやみのなかからこんにちはきみへ

    SIX LOUNGE

    まっくらやみのなかからこんにちはきみへ

     2026年6月3日に“SIX LOUNGE”がニューシングル「さよならじゃない方がいい」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『最強の王様、二度目の人生は何をする?』Season2 OP主題歌。アニメの世界観を汲み取ったナガマツシンタロウの歌詞に、SIX LOUNGEらしい爽やかなロックンロールサウンドが映える1曲になっております。    さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを2週連続でお届けします。第1弾は2024年3月27日のリリース曲「 君が眩しいから僕は星が見えない 」にまつわるお話です。認められたいからこそ、好きだからこそ、答えのない“愛”を探し続けるからこそ。見えてくる“詩を書き続ける理由”とは…。 なぜ詩を書くのだろうか   新しいもの生み出そうとあがいて   0から1も神頼みの生活   真っ白なノートに向かいながら何十時間   もう無理だ俺には才能がない   ヘラっても結局ひとりで戦うしかない   街がゆっくり息を吹き返す気配   すみません今回も締め切りギリギリです。   そう   認められたい   認められたい   自分の作品が好きだ   好きじゃなきゃここまでやってられなかった   なんとなく仕事だと思えない   だから手を抜いてやれない   でも頑張った分幸せになるわけじゃない   それでも書かなきゃいけない   生活するためじゃなくて   生きるために   書かなきゃいけない   ナガマツシンタロウであるために   死ぬまで書き続けなければいけない   やあ、   きみへ。   この何億と輝く星の中から   俺たちをみつけてくれてありがとう   この存在を認めてくれてありがとう   他の星が見えなくなるくらい   輝き続ける   ひとつのちっぽけな   生命体でありたい   しかし   俺たちのすべては   この宇宙において   どう足掻いても無限じゃないらしい   それなのに俺は   いや   だからこそ俺は   I Love Youをどんな歌にして伝えるか   ずっとそんな事を考えている   どんなに詩を書いても   結局伝えたい事は   I Love Youになる   愛とは何か   わかってしまえばきっともう書けない   答えがなくてもいい   ないものを探し続けるという   悲しい人生かもしれない   そんな事に気付けないくらい   俺はバカだから幸せだ   誰に対する愛なのか   ヘイトも愛の形なのか   愛ってどんな形してるんだろうか   触れないほどトゲまみれであってほしいし、   この世で1番醜い姿をしていてほしい   そしたら俺はそいつに   きっとこの世で1番美しい   名前をつけてあげるだろう   真っ黒になったノートに   ずっと星がみえない   <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 君が眩しいから僕は星が見えない 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:イワオリク   ◆ニューシングル「さよならじゃない方がいい」 2026年6月3日発売   <収録曲> 1.さよならじゃない方がいい 2.さよならじゃない方がいい -TV Size version- 3.さよならじゃない方がいい -Instrumental version- 4.さよならじゃない方がいい -Vocal Only version- 5.さよならじゃない方がいい -Minus Guitar version- 6.さよならじゃない方がいい -Minus Drums version- 7.さよならじゃない方がいい -Minus Bass version-

    2026/07/03

  • ペイトン尚未
    「らしくあれ」を“らしさ”が分からない私が歌うということ
    「らしくあれ」を“らしさ”が分からない私が歌うということ

    ペイトン尚未

    「らしくあれ」を“らしさ”が分からない私が歌うということ

     2026年7月1日に“ペイトン尚未”が1st Album『らしさ』をリリースしました。ペイトン尚未自身初のフルアルバム。疾走感溢れるリード曲「らしくあれ」をはじめとした新曲5曲に加え、これまでにリリースしたシングルのリード曲や、配信リリース限定が楽曲など全10曲を収録。多角的な魅力が全面に表現された1枚になっております。    さて、今日のうたではそんな“ペイトン尚未”による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、収録曲「 らしくあれ 」にまつわるお話です。自分の“らしさ”がわからない。それでも、自分と向き合い続けて、この歌に出会って、気づいたことは…。 その人らしさや個性って、生まれつきなのか それとも後天的に身についていくものなのか、   きっとどちらも少しずつあるんでしょうけど、   私にはその自分「らしさ」が分からなくなる時があります。   インターネットで   「ペイトン尚未 性格」 「ペイトン尚未 どんな人」   と検索したこともありました。     分からないなりにもなにか、自分とはこういう人間です、と胸張って言えるようになりたくて、   アーティストデビューしてから3年、自分を知ろうとしました。     きっと私は真面目で、心配性で、諦めが悪い人間なのだなと少しずつですが分かってきた気がします。   この性格と付き合っていくには少々面倒くさい部分もありましたが、   これが私の“らしさ”なのかなと受け入れられるようになりました。     そんな時、   「らしくあれ」と出会いました。     この曲の主人公は、   私と同じで真面目で心配性で諦めが悪い人でした。     初めて、曲に対して   「逃げてはいけない」という気持ちが湧いてきました。     曲の主人公が勇気を出して自分の心情を教えてくれたのだから、   私はこの曲を絶対に素敵に歌わなきゃいけない、という歌手としての責任感を感じました。   これから「らしくあれ」と出会う人達が   どういう場所で、どういう気持ちで、どういう表情で聴いてくださるのか想像してからレコーディングに臨みました。     優しい人も   素直になれない人も   明るい人も   じっくり考える人も   人に合わせてしまう人も   誰かを引っ張っていける人も   自分が好きな人も   自分が嫌いな人も     みんなを突き動かす力のある歌詞と音楽に、ありったけの真心とエールを乗せました。     私ってこんなに必死な人間だったんだと気づきました。   自信を持って、「らしくあれ」は素敵な歌になりました。     『さあ、これからライブで皆さんに直接歌を届けられる』     歌うことが大好きで、 応援してくださっている皆さんに会えるライブが大好きで、   でもステージに立てる時間は限られていて、 一瞬で過ぎてしまうのがもったいなくて、 だからこそこの時間が愛おしくて…     私のライブは、   『どんなあなたでも受け止めてあげられる場所でありたい』     いっぱい笑ってもいい、 いっぱい泣いてもいい、     一緒に“らしさ”を認め合いませんか?   <ペイトン尚未> ◆紹介曲「 らしくあれ 」 作詞:arga(KEYTONE)・涼木シンジ(KEYTONE) 作曲:涼木シンジ(KEYTONE) ◆1st Album『らしさ』 2026年7月1日発売   <収録曲> 1.らしくあれ 2.魔性のレディエーション 3.CANDY POP 4.にんげんもーど 5.遠距離片愛 6.魔法 7.ネメシス 8.コスモノーツ 9.浪漫てぃっく! 10.ねがいプロローグ

    2026/07/02

  • ペルシカリア
    人には言えない恋ばかり
    人には言えない恋ばかり

    ペルシカリア

    人には言えない恋ばかり

     2026年7月1日に“ペルシカリア”が5th EP『人には言えない恋ばかり』をリリースしました。今作は、ライブで盛り上がるかどうかだけではなく、繰り返し聴きたくなるメロディや言葉、アレンジの細部にまでこだわり抜かれた作品となっており、ミドルテンポの楽曲も多数収録。ライブシーンでも新たな表情を見せていくであろう、現在のペルシカリアを象徴する1枚に仕上がっております。    さて、今日のうたではそんな“ペルシカリア”の矢口結生による歌詞エッセイをお届けします。『人には言えない恋ばかり』のテーマやタイトルの由来、そしてライブバンドとしての進化を経た今だからこその楽曲制作へのこだわりを綴っていただきました。 歌詞解説っていうものはいつまでも苦手で、受け手が作詞した人間の意図を探して、 勘違いしたり、逆に詩人が意図していなかったメッセージになったり。逆にそこを狙って書いたり。とか、ちょっと詩人が最初に種明かししちゃうとどこか冷めてしまったり面白くなくなっちゃう節があると思う。   特に「人には言えない恋ばかり」とタイトルを名付けたEPに関しては、大人なら誰しも持っているであろう、人には言えない後ろめたい感情や恋にフォーカスしているからこそ、"悪い事自慢"をしたい人間になってしまいそうで、なんとも言葉にしづらいところがある…   ただ、この"人には言えない恋"というのは、きっと誰しもなんやかんやあって、傷ついて悲しみや苦しみの類の感情のその先にあるものとして考えている。 綺麗な歌を歌いたい。芸術的な恋が歌いたい。なんて日もないわけではないが、どちらかと言えば他人に言えないからこそ、代弁してくれる歌や楽曲が唯一自分の味方でいてくれる気がしていて、そこまで深掘りした曲を歌いたいとは思っている。   根本にそうゆう曲を作っていたいとは思っているが、特にこのEPはそうゆうことを最初から意識はしていなかった。4曲のレコーディングを終え、ペルシカリアの作品ではタイトルを考える時にいつも歌詞から引っ張ってくる縛りみたいなのがどこかでできていて、今回はリード曲の「風邪」から「人には言えない恋ばかり」と名付けてあげた。「2002」以外はラブソングを歌っていて、 「スティーリング・ラブ」も造語ではあるが一応「略奪愛」という意味を込めた。逆に「初恋じゃないから」は自分には話してもらえない相手の事。"人には言えない恋"ではなく、"自分には言ってくれてない恋"という逆サイドでフォーカスを当てている為、共通点としてこの歌詞を引っ張ってきた。   2020年コロナ禍に結成したペルシカリアは、コロナ禍緩和の時期に企画した「歓声の先へ」以降、 ライブバンドとして磨きをかけていくことを何よりも心がけていた。ライブの中身だけでなく、今までリリースした楽曲にも強く反映されていたが、今回はどちらかというと歌を聞かせることを重視して制作した。まずはツービートを減らそう。というところから入り、制作時は「サビでツービートしてぇ…!」という気持ちを押し殺して、エイトビートになっている曲もある。ライブバンドとしてライブが強いのはもちろん大前提なのだが、ツービートや激しさを求め過ぎて、純粋な曲の良さみたいなところを細部まで突き詰めれなかったのがどうしても嫌だった。 料理失敗してもとりあえずマヨネーズかければそれなりに美味しくなっちゃうよね…っていうと、ちょっとたとえが雑すぎて誤解を産みそうだけど、他にもっとやりようがないかとライブを想像しすぎて曲の純粋さを失わないようにと心がけていた。   話は戻って、なぜ「2002」はラブソングじゃないのにEPに入ったのか。という話になるが、割と"作った曲はすぐ入れたい派"というのは大前提としてあるけど、今回も作品の中に"ロックバンドとしての意思"みたいなものを入れたかった。ライブバンドとして、ライブが激しくてダイバーがめっちゃ出ても、それが直接的な良さに繋がるわけでは決してなくて、今そうゆうライブをしているペルシカリアが、そうなる前にはなかった選択肢として、そこにライブバンド像が追加された。と思っていて、選べることが増え、かっこいいと思えることが増えたのだから、いつまでもいつまでも自分たちの道で、自分たちがその時一番夢中に、カッコ良いとなれているものを歌い続けようという意思表示だからあえてこのEPの一番最後の曲にした。 <ペルシカリア・矢口結生> ◆5th EP『人には言えない恋ばかり』 2026年7月1日発売   <収録曲> 1. 初恋じゃないから 2. 風邪 3. スティーリング・ラブ 4. 2002

    2026/07/01

  • JYOCHO
    忘れたくないこと
    忘れたくないこと

    JYOCHO

    忘れたくないこと

     2026年6月10日に“JYOCHO”が3rdアルバム『忘れたくないこと』をリリースしました。今作には、TVアニメ『神の庭付き楠木邸』ED主題歌「うたまひ」をはじめ、「Strong Body and Rich Future of Macho Minimal Fairy」、「無常の合唱」、「惜春」や、「はじめからすべて知っている」といったライブの人気曲となっている最新デジタルシングル群に加え、5曲の新録曲にインタールード「ひとり考えてた」を収録。    さて、今日のうたではそんな“JYOCHO”のだいじろー(Gt.)による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、収録曲「 忘れたくないこと 」にまつわるお話です。触れないようにしてきた本当の気持ち。この歌のなかに残したかったものは…。 「 忘れたくないこと 」は、触れないようにしてきた自分の中にずっとあった気持ちを、そのまま音にしようとした曲です。   日常にのまれて、暮らしを進めていくにつれ、私たちは少しずつ気づかないふりが上手くなっていく。   本当は傷ついているのに平気な顔をしたり、本当は違和感を覚えているのに「みんなそうだから!」と飲み込んだり。 社会や常識の呪いのようなものに勝手にかかってしまい、あたかも自分の言葉のように社会や常識の正しさを押し付け合っている。   そうやって社会の中で自然に溶け込み、振る舞えるようになっていく。   でも、自分の中ではずっと消えない感覚があって、子どもの頃はすべてが新しく感じていた自分もいたし、なんか時間の進み方も遅かった。 社会の正しさや演じることはじょうずになっていくが、“わたし”が薄れてしまっていく感覚。 命に重さがある感覚とか、縁を観測していくと見えてきた感覚とか。   言葉にすると言葉に引っ張られて宇宙がなんだか軽くなってしまう感覚も日々感じて生きているし。   この曲では、そのうまく説明できない感覚を、できるだけそのまま残したかったんだと思う。   だから歌詞も、断定するような言葉にはしなかった。 こうだ!と説明するより、ずっと問い続けたい!という“わたし”を書きたかったのかもしれない。   誰かを救いたいとか、世界を変えたいとか、そんな大袈裟な話ではないけれど、 自分の中にある“忘れたくない感覚”を一緒にほんわか思い出していけたら嬉しいなぁ~と。   そういう祈りに近いものを楽曲に込めました。   今日も、世界の秘密とか、ひとり考えている。     <JYOCHO・だいじろー(Gt.)> ◆紹介曲「 忘れたくないこと 」 作詞:中川大二郎 作曲:中川大二郎   ◆3rdアルバム『忘れたくないこと』 2026年6月10日発売   <収録曲> M01. はじめからすべて知っている M02. Strong Body and Rich Future of Macho Minimal Fairy M03. まなびたいとおもう M04. 無常の合唱 M05. ひとり考えてた M06. 忘れたくないこと M07. 山川草木 M08. うたまひ M09. 惜春 M10. やさしい天気

    2026/06/30

  • wacci
    どこかで花が咲くように、この歌をこの世界に置いておきます。
    どこかで花が咲くように、この歌をこの世界に置いておきます。

    wacci

    どこかで花が咲くように、この歌をこの世界に置いておきます。

     2026年5月22日に“wacci”が新曲「人生最終日の僕よ」をリリースしました。そのタイトルとは裏腹に“今をいかに生きるか”にフォーカスを当てた心に刺さる歌詞と、結成17年目を迎え円熟味を増した演奏にメランコリックなストリングスが融合し、幾重にも重なるようなメロディーが印象的な“人生賛歌”とも言えるミディアムナンバー。    さて、今日のうたではそんな“wacci”の橋口洋平による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、新曲「 人生最終日の僕よ 」にまつわるお話です。42歳を迎え、人生の折り返し地点に立った今の気づきとは。そして、この歌に託した思いは…。 昨年の12月から42歳として生きている。 人生80年とした場合、半分を過ぎたということになる。   未来、人生、夢、幸せ。 そういった言葉たちは、昔は、何か実感を伴わないとてつもなく大きなものに思えた。 なかなか具体的に描くことはできなかったし、どこかでまだまだ先の話だと見て見ぬふりをしていた。 まだ何者でもないけれど、その気になれば何にでもなれると思っていた。 明日から生まれ変わったように努力すれば、どんな夢も叶うと思っていた。   そんな感覚だったが、40歳を過ぎてから、少しこの世界の見え方が変わってきた。   ほんの僅かな“叶った夢”と、膨大な数の“もう叶えられない夢”。 出来損ないと言わざるを得ない、不器用を晒した数々の瞬間。 頑張りたいと思いながら、頑張ることを選べなかった日々。 なんとなくずっと続くと思っていた関係性の喪失。大切な誰かとの別れ。   半分を生きて、見える景色や自分の立ち位置をもって考えた時に、この先の人生を、この先の未来を、なんとなく計算で割り出せてしまったような感覚。   僕というこの物語は、なんとなくこんな感じに収まるんだろう。 そんな気持ちになって、寂しさとも悟りとも違う、不思議な感情が沸き起こった夜があった。     例えば、地図を頼りに初めての場所に歩いて行くとき、往路はとても長く感じるが、復路は短く感じることがよくある。   知らないものほど大きく感じ、知ると一気に自分の世界の中に収まるため小さく感じるあの感覚と同じように 今、半分を生きて突然、自分の未来の長さを知り、人生の全貌が明らかになったように感じたのだと思う。       「 人生最終日の僕よ 」は、そういった気づきから生まれた一曲だと言える。 もちろんそんな感情に何か答えを用意したわけではないし、そんな資格もない。   ただ、同じような気持ちを抱きながら、今日を生き、明日を見据える人と共にありたい。 季節が巡るようにただ受け入れて、それぞれに違う今の立ち位置から人生の終着点を見据えて、そこまでの日々の中で一度でも多く笑って、一つでも多く幸せを拾えるように。 いつかゴールにたどり着いたときに振り返って、そのいびつさと、情けなさと、ふがいなさと、愛おしさに、心の底から泣けるように。   諦めや焦り、悲壮感ではなく、これまで生きてきたことへの称賛と、これから訪れるであろう未来への希望を込めて。   どこかで花が咲くように、この歌をこの世界に置いておきます。   もし手にしたら、感想を是非ください。 一緒にわかちあいましょう。   <wacci・橋口洋平> ◆紹介曲「 人生最終日の僕よ 」 作詞:橋口洋平 作曲:橋口洋平

    2026/06/29

  • ちゃくら
    少しこぼれてしまった君の居場所を作りたい
    少しこぼれてしまった君の居場所を作りたい

    ちゃくら

    少しこぼれてしまった君の居場所を作りたい

     2026年6月17日に“ちゃくら”がメジャーデビューミニアルバム『GIRLS BAND NEVER DIE』をリリース! 昨年9月24日に配信リリースされた「嫌気」他、ミドル、エモーショナル、ポップス、あらゆる角度のジャンルで枠にはまらない新曲5曲を含む全6曲が収録。成長著しい彼女達が真っ向勝負するデビュー作品が完成しました。    さて、今日のうたではそんな“ちゃくら”のワキタルル(Ba.&Cho.)による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。最終回は、収録曲「 ドール 」と「 社会の左 」にまつわるお話です。それぞれの歌詞に込めた自身の思いは…。 「 ドール 」   また両親に心配されるような曲を書きました。 「死にたくなったとき初めて愛に気づけるわ」 切実にそんな訳はない。 あってたまるかい。   ちゃくらの既存の曲を聞いたらすぐに分かることだけれど、 私は穏やかな恋をできたことが無い。 理由は簡単で少し自分と似た貧しい心を持っている人に惹かれ、私だけは君に愛される気がする、私だけは君を変えられる気がすると、期待し続けて愛し過ぎてしまう。結果離れるタイミングを失い執着に変わるという馬鹿の象徴みたいなことだ。   頼りにされると嬉しくなってしまうし 好きな人の願いは全部叶えてあげたいし 一人で泣いているなら何時でもどこにでも会いに行きたい   それっておかしいことかな、 正しい人の愛し方が分からない   けどこれも全部君が望んたことだよね、? 「僕が居ないといけなくなって欲しい」 あの日私に言ったその一言で 私は君の求める私に変わったんだよ 何度も自分に恋の形なんて自由だよと言い聞かせてきた 君が求める形を肯定してきた   一緒に踏み外したのだから 一人で幸せになるなんて無しだよ   普通は取り戻せない。お互いにね。     「 社会の左 」 この曲の題名がワキタルルでも良かったくらいに、私が物心ついたころからずっと向き合ってきた悩みをそのまま書いた   どこにもちゃんと話したことがないけれど ちゃくらとして活動し始めてから何度かストレス性胃腸炎になることがあり、家で倒れてマネージャーを呼んだり、去年一昨年辺りのワンマンの前日には薬を貰ったり点滴を打ってもらったりしていた時期があった。   それは、 自分の才能の無さやずっと間違えた選択を取っている気がすることで、人からのアドバイスという名の押し付けを全て鵜呑みにしてしまっていたから。近くに居た人が言う“ちゃくらの正解”を全て信じてしまっていたから。   とにかく自分に自信がなかった、 別に今も胸を張って道を歩けるような人間では無いけれど、あの頃は自信どころかワキタルルが一体どんな人間なのかすら見失っていた。   切り取って話したい歌詞が無い程に この曲の歌詞が私の全て、   今回の制作期間また自信がなくなって途方に暮れていたとき、この考え自体を曲にしてみるのはどうだろうとふと思いペンを握ってみたら、歌詞がスラスラと書けて、ギターを手に取ってみたらこれまたスラスラとコードが決まり(私の一番好きなコードCadd9)、数時間で「社会の左」が完成した。   この曲をかける自分で良かったと思えた私は、少しずつ踏み外した道を歩けるようになってきたのかもしれない、 幸せってなんだろうね、 誰かから見たら私も幸せ者か。   右ならえの世界で私は堂々と左に立ち 少しこぼれてしまった君の居場所を作りたい   <ちゃくら・ワキタルル> ◆紹介曲「 ドール 」 作詞:ワキタルル 作曲:ワキタルル 「 社会の左 」 作詞:ワキタルル 作曲:ワキタルル ◆メジャーデビューミニアルバム『GIRLS BAND NEVER DIE』 2026年6月17日発売 <収録曲> 1 夏をかける少女 2 生活ごっこ 3 何番目の人 4 嫌気 5 ドール 6 社会の左 7 ちゃくらじお特別編 其の二

    2026/06/26

  • YRD Leo
    終わったはずの感情にちゃんと名前をつけたかったから。
    終わったはずの感情にちゃんと名前をつけたかったから。

    YRD Leo

    終わったはずの感情にちゃんと名前をつけたかったから。

     2026年6月17日に“YRD Leo”がニューシングル「Mirage」をリリースしました。忘れたいほど大切だったひとを、今でもどこかで想ってしまう。そんな思いを描いた1曲となっております。  さて、今日のうたではそんな“YRD Leo”による歌詞エッセイをお届けします。復縁を願うわけでも、過去を美化するわけでもない。ただ、新曲「 Mirage 」で描きたかったものは…。 今になって、こんな曲を書くのは、少し罪深いことなのかもしれないと思いました。   音楽は時々ずるいです。 たった数分の中で、本当はうまくいかなかった出来事まで、どこか美しいもののように描けてしまうからです。現実はそんなに単純ではなくて、好きという気持ちだけではどうにもならないことがありました。   この曲に書いたことは、どれも嘘ではありません。 ただ、それがすべてでもありません。 自分のことも、君のことも大切にしたいと思うほど、その距離の取り方は難しくなっていきました。   あの頃の思い出は、今でもふとした瞬間に蘇ります。 何気ない会話や約束、くだらないやり取りまで、失ってからその大切さに気づくことがあります。 忘れたいと思うほど、逆に鮮明になってしまう記憶もありました。   この曲を書きながら、届いてほしい気持ちと届かないでほしい気持ちの両方がありました。   それでも音楽にしたのは、終わったはずの感情にちゃんと名前をつけたかったからです。   これは復縁を願う曲でも過去を美化するための曲でもありません。 ただ、忘れたいほど大切だった人のことをそれでもまだどこかで想ってしまう。 そんな自分の弱さを、そのまま残した曲です。   この歌が誰かを困らせるのではなく、同じように忘れられない気持ちを抱えた人の心にそっと寄り添えたら嬉しいです。   <YRD Leo> ◆紹介曲「 Mirage 」 作詞:YRD Leo 作曲:YRD Leo・kit

    2026/06/25

  • 茉ひる
    まるで映画のスクリプトをめくるように。
    まるで映画のスクリプトをめくるように。

    茉ひる

    まるで映画のスクリプトをめくるように。

     2026年6月24日に“茉ひる”がメジャー1st EP『Cinema』をリリースしました。彼女はエモーショナルな歌声と共感を呼ぶ歌詞で注目を集め、SNS総フォロワー数は90万人を超える2000年生まれのシンガーソングライター。今作には、4月に配信リリースされた「天気雨」を含む全6曲が収録され、他すべて未発表の新曲で構成されております。    さて、今日のうたではそんな“茉ひる”による歌詞エッセイをお届けします。自身にとって、作詞とはどんな行為なのか。歌詞とはどんな存在なのか。そして、今作『Cinema』に込めた思いとは…。 歌詞検索サイト「歌ネット」をご覧の皆さん、はじめまして。茉ひるです。   この度、私の新しいEP『Cinema』がリリースされることになりました。今回の作品は、私にとってまたひとつ新しい扉を開くような、本当に大切な1枚に仕上がっています。   普段、私は日常のふとした瞬間に浮かぶ感情や、言葉にできない心の揺らぎをすくい上げるようにして作詞をしています。私にとって歌詞とは、日記のようであり、同時に誰にも見せられない秘密でさえ音楽には閉じ込めることができるように、自分自身の宝石箱として共存している大切なものでもあります。   タイトルを『Cinema』とした、今回のEPに収録されている楽曲たちも、自由に自分自身の心を映し出すように描いています。それぞれが異なる景色、異なるストーリーを持っていて、全曲を通して聴いていただいたときに、一編の映画をスクリーンで観終えたような、あるいは誰かの人生のワンシーンにそっと寄り添うような、そんな作品にしたいと思い、言葉を紡ぎました。   嬉しい感情、時には目を背けたくなるような葛藤や寂しさ、相手の言葉を受け入れた先に、伝えようとして伝えられなかった言葉、あるいは、あえて伝えず秘めた想い、様々な自分を言葉にしてメロディに載せています。   リリース前ということもあり、今はドキドキした気持ちでいっぱいですが、早く皆さんのもとにこの楽曲たちが届くことを心から楽しみにしています。   ぜひ、一曲一曲の歌詞をまるで映画のスクリプトをめくるように注目しながら、新しいEP『Cinema』の世界に浸っていただけたら嬉しいです。これからリリースされる新曲たちを、どうぞよろしくお願いいたします!   <茉ひる> ◆メジャー1st EP『Cinema』 2026年6月24日発売   <収録曲> 1. ロストライン 2. Florisia 3. 天気雨 4. UI 5. ティーンエイジブルー 6. 百日草 (Remix)

    2026/06/24

  • SUPER BEAVER
    生きている限りまだ終わりきっちゃいない。
    生きている限りまだ終わりきっちゃいない。

    SUPER BEAVER

    生きている限りまだ終わりきっちゃいない。

     2026年6月24日に“SUPER BEAVER”がニューアルバム『人生』をリリース!今作には、ドラマ『バニラな毎日』劇中歌「片想い」、ドラマ『バニラな毎日』主題歌「涙の正体」、フジテレビ系『めざましテレビ』テーマソング「主人公」、映画『金子差入店』主題歌「まなざし」、『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』主題歌「燦然」、フジテレビ系2026 アスリート応援ソング「生きがい」の既発シングル曲に加え、新曲を含む全12曲を収録。    さて、今日のうたではそんな“SUPER BEAVER”の柳沢亮太による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、アルバム『人生』にまつわるお話です。17歳の自分が抱いていた憧れと不安、夢と現実の狭間で揺れながら歩んできた20年。その先を見つめる今、思うことは…。 バンド結成から20年を超えた。   結成時の高校2~3年生の頃といえば、大半が大学や専門学校等への進学準備に勤しみ、いつまでも来ないような気がしていた「将来」が急に現実味を帯びて迫ってきた頃。 強く願い続けてさえいれば叶いそうな気がしていた「夢」やその類が、よく見ると険しい様相をしていて、遊び半分や何となくで叶うものではないことをきちんと理解し始めた頃。   急に怖くなったことを憶えている。不安で仕方なくなった。 自分はどう生きていくのか。どうなるのか。 プロになれるのだろうか、成功できるのだろうか、そもそもプロって、成功って何だろう?   それでも、進学はしないと決めていた自分にできることは、今日ここには戻って来られないことを意識しながら、その頃なりの覚悟を賭して未知へと進むことだけだった。   それからチャンスや、チャンスのようなものが目の前に現れる度に「次はない」と思いながら手を伸ばしたけれど、実力不足で届かなかったり、掴んだつもりが偽物だったり、そもそも騙されていたりと、幾つもの初めてを経験した。 しっかりと、現実は甘くなくて、ちゃんと厳しかった。 自分にとって過去一番の努力で立ち向かっても、まだまだ足りないのだと思わされる日々ばかりだった。 そうして20歳を過ぎた頃には明確な挫折を味わった。   幼い頃に見た憧れは、今輝いているあの人は、どれほどの努力の上に立っているのだろう。 どれだけの時間を費やしたのだろう。どれだけ削ぎ落とし、どれだけ向き合ったのだろう。   自分の現在地とを見比べると途方もなさすぎて「だめだ、間に合わない」そんな気持ちに苛まれることばかりだった。   もう随分と進んできてしまったけれど、この道を進むことを放棄すればこの苦しさからは解き放たれる。 諦めてしまおうか。辞めてしまおうか。   でも、じゃあ今日まで積み上げてきた経験、懸けてきた時間を棄ててしまうのか?だとしてこれから何をやりたいというのか。   自問自答を繰り返し、その度に結局自分を諦めたくない気持ちが勝った。 自分を信じて期待することをやめたくなかった。 それをしたら、何というか、全部が終わってしまう気がして。寂しすぎるじゃないかって。 叶うかわからないからやらないのではなく、叶うまでやり続けてやれよと、自分自身にハッパをかけ続けた。   そんな日々を懸命に過ごすうちに、バンド結成から20年を超えた。   10代から20代へ、20代から30代へ、子どもから大人へ、夢から現実へ。 二度と戻れない日々を、もう一度は味わえない時間を、成功するか否かわからない未知を進み続ける。 いつ始まりを意識するかだけで、思えば意識した日からずっと一世一代の大勝負を、今も、し続けている。 生きている限りまだ終わりきっちゃいない。   あれこれ考えようと結局今を生きる他にはない。昨日も明日も生きられない。 成りたい自分に成るべく今を生きる他にはない。 望むなら、動く。放っておいて叶う何かは、やっぱりないと思う。   全てに意味があるだなんて思わないけれど、通過した全ての時間の上に今日、生きている。 銘々に、誰かではなく唯一自分の命を生きる。日々の暮らしのために働き、生活する。 自分が思い、自分が願い、自分が動き、自分が発しながら、社会と共に生きる。   あの日の17歳が37歳になった。大人になったんだ。 向こう20年を考えたら次は57歳、さあ自分はこの先をどう生きようか。 SUPER BEAVERとして音楽し続けながら、パッと一言じゃ言い表せられない大切と共に生きたい。 簡単じゃないとわかるからこそ自分の全部を賭したいと思っている。   あなたは今何を思うだろうか。 大袈裟な話ではなく単純に、自分が、誰かが、人が生きる今日について。 人生について。   <SUPER BEAVER・柳沢亮太> ◆ニューアルバム『人生』 2026年6月24日発売

    2026/06/23

  • chilldspot
    人と人との感性が交わる瞬間。
    人と人との感性が交わる瞬間。

    chilldspot

    人と人との感性が交わる瞬間。

     2026年6月10日に“chilldspot”が新曲「Ladyy」をリリース! 同曲は、オリジナル婚活リアリティーショー『ガールオアレディ3』挿入歌であり、“レディ”たちが織りなす恋愛模様に寄り添うべく書き下ろされました。抗えない恋心に翻弄されるリアルな心情を、Vo.比喩根の物憂げな歌声と、都会の夜を思わせるサウンドにのせて表現しております。    さて、今日のうたではそんな“chilldspot”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。第2弾は比喩根が執筆。 第1弾 に続き新曲「 Ladyy 」のお話です。自身ではボツにしそうだったAメロの歌詞。しかし、ともに作詞を手がけたメンバーからの意外なひと言とは…。 <あと何回フォーリンラブ 感じればいい?ロンリーナイト>   この一行がメロディと共に浮かんできた時、 「いい歌詞が出来た!でも没!」という嬉と悲、両極端の気持ちを味わった。 だってAメロに出てきていた女性像とは全然結びつかないから。 Aの歌詞はうちのギター、玲山君が担当していたから。   この曲はトラックと最初のデモのメロディ&歌詞を玲山くんが、 B・Cのメロディ&歌詞を私が、 そしてそれ以降、歌詞全体のブラッシュアップを二人で行うというこれ以上ないコライト方式で作られたのだ! Cをもっと良くしようということで色んな案を出していた最中、この文の一番上を体感する事になる。   Aから私が感じ取った女性像は ・黒髪 ・30代 ・結構お金は持ってるけどちょび拗らせてる という雰囲気。   <愛猫>っていい。私は猫を飼った事がないから全くなかった視点だった。 なんか歌詞のリッチさが増している。   対して私の書いたB・Cは ・若めの人(男女を問わず) ・歌詞の重み<気持ちよさ、韻 ・これからの恋に期待、アオハルめ というイメージ。   ね?全然違う。 だから歌詞自体は凄く良いのに残念、これは没ですわなトホホ…という気持ちになったのである。 (メロは満場一致で良かったので、メロだけ使ってB・Cを書き直してほしいと玲山君に依頼)。   ここで玲山君が私からするととんでもない一言、   「これAとB・Cでそんなに像離れてなくない?」   えー!!!!そうなの!? あたしゃ驚き驚きました。   でも自分の色眼鏡を外してみたら 少し拗らせてしまっていた女性が恋の始まりによって、 今までの経験則や見栄を捨てて一歩前に出ようとしているではありませんか。   人と人との感性が交わる瞬間。 ブラッシュアップの時には意見もぶつかったし色んな話し合いをしたけど、 それが面白いし上手く噛み合った時には2倍嬉しい!   そんなこんなで出来た素敵な曲です。   たまには歌詞の女性のように、 一見くだらない事に胸躍らせて一歩軽く踏み出してみたらどうでしょう。 この曲をラク~に聴きながら。   <chilldspot・比喩根> ◆紹介曲「 Ladyy 」 作詞:ryozan・hiyune 作曲:ryozan・hiyune

    2026/06/22

  • がらり
    『個』を肯定する曲ばかり
    『個』を肯定する曲ばかり

    がらり

    『個』を肯定する曲ばかり

     2026年6月3日に“がらり”がEP『螺旋の街』を配信リリースしました。3月リリースの楽曲「春を盗んで」のほか、東海ラジオのプロジェクト『TOKAI RADIO ONE ARTIST 2026!』のプッシュ曲「シャイなボーイ」、ドラマ『100日後に別れる僕と彼』オープニング主題歌「単純ないきもの」など計5曲を収録。都会を舞台に、孤独や逃避への衝動と諦念、受容といった感情がリレーのように表現されたEPとなっております。    さて、今日のうたではそんな“がらり”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。最終回は、収録曲「 単純ないきもの 」にまつわるお話です。『個』を肯定する最近の音楽に対する、カウンターを意識して書いたというこの歌。自身が肯定したかったものは…。 最近の音楽の歌詞について、何か一つ特徴を挙げるとすれば、『個』を肯定する描写が頻繁に出てくるという点ではなかろうか。   自分らしさ、ありのままの私、自己肯定感爆上げ、◯◯な私が好き───。   表現方法、筆致に差はあれどやはり個を肯定する、という文脈はJ-POP歌詞世界の一大ムーブメントであり、もはやベーシックなものとして取り扱われている。   「単純ないきもの」という楽曲を先日リリースした。 この楽曲では逆の方向について思いを馳せた。   それはすなわち、我々は個を重んじる前に、共同体に属している感覚に安心する生き物なのではないか、という疑問だ。   『僕はいつでも探しているよ/僕が属する仲間はどこか』   『みんなと同じようになりたいと/もがいてきたけど』   これらの歌詞は明確に昨今の個を肯定する文脈に対するカウンターを意識して書いた部分である。人は分類されることで安心し、他人との繋がりをそこに見出す。 人と人が寄り合い共同体を形作り、街が生まれる。 個の肯定の前に、前提として帰属意識が在るのではなかろうか。   都市の中にはあらゆる共同体が存在し、日々食事をしたり、運動をしたり、労働をしたり、蠢き合いながら生きている。 朝の通勤電車には同じ時間に似たような方向に向かう集団があり、夕暮れのコンビニには皆一様に似たような疲れた顔で弁当や飲み物を選ぶ人達がいる。   その姿に没個性だけを見出すのは暴力的だと感じる。 それぞれの生活を、コミュニティを維持する営みは、そのままで美しさやきらめきがあるはずだ。 個を肯定する文脈と同じくらいの熱量でこれらの営みについての歌が在ってもいいのに。   まるでJ-POP的文脈で個を肯定することを批判するような話を展開したが、この曲のサビは『君が笑えば嬉しくなるんだ』という奇しくも大変J-POP的なメッセージに帰結した。   隣にいる人が笑っているなら、自分も嬉しい。この単純な哲学があってこそ人と人は寄り添い合い、文明を形成し、果てない街が生まれたのではないか。   時代はどんどん複雑化している。我々はいつも自分らしさを見つけなければならず、他人と違う何者かにならなければならないような気がしている。だが、その複雑さの果てにシンプルな答えがあるかもしれない。   君が笑えば嬉しくなる。 それだけで、僕らは今日も街を生きることができるはずだ。   <がらり> ◆紹介曲「 単純ないきもの 」 作詞:がらり 作曲:がらり ◆EP『螺旋の街』 2026年6月3日配信リリース   <収録曲> 01. シャイなボーイ 02. 春を盗んで 03. レンズ 04. 箱庭ダンス 05. 単純ないきもの

    2026/06/19

  • ちゃくら
    死ぬほど会いたいともう二度と会いたくないの繰り返し。
    死ぬほど会いたいともう二度と会いたくないの繰り返し。

    ちゃくら

    死ぬほど会いたいともう二度と会いたくないの繰り返し。

     2026年6月17日に“ちゃくら”がメジャーデビューミニアルバム『GIRLS BAND NEVER DIE』をリリース! 昨年9月24日に配信リリースされた「嫌気」他、ミドル、エモーショナル、ポップス、あらゆる角度のジャンルで枠にはまらない新曲5曲を含む全6曲が収録。成長著しい彼女達が真っ向勝負するデビュー作品が完成しました。    さて、今日のうたではそんな“ちゃくら”のワキタルル(Ba.&Cho.)による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。第2弾は、収録曲「 何番目の人 」と「 嫌気 」にまつわるお話です。それぞれの歌詞に込められた<君>への思いとは…。 「 何番目の人 」   実は去年からずっとスマホの中に留めていた曲。 いつなら出しても大丈夫かとタイミングを伺っていたら、このアルバムに入ることになった。 それは季節とか曲調とかそういう事ではなくて、この曲を出す勇気がずっと無かったから。   「 君の一番になれない私より 」という曲を書いた頃から私は君の過去に執着してきた。   過去の恋愛というものは、本当に厄介で呪いで。 自分の過去も無ければ良いのに。 君が初めてで君が最後なら良かったと思う。 好きな人から過去の恋愛の欠片が少しでも見えると、地の底まで落ちる最低な気持ちになる。   過去を大事にするのが上手な人だった、 きっと君の周りの人もそれを望んでいた、 自分は邪魔者だと思ってしまった。 君と過去の恋人がもう一度出会うまでの場繋ぎの様な気持ちになっていた。 これがどれだけ辛かったことか君は分かってくれるかな、?   この言葉達が少しでも分かってしまって、涙を流す女の子全員を抱きしめたい。 本当は共感なんて誰もしないでほしいよ。 君が辛そうなときは無理をしてでも会いに行ってたのにね、ちゃんと隣に居たのにね、   君にとって私が気軽に思い出せる程度の過去の人になってしまったとして、 もし私の次の番号の人が現れたときは その人が私に苦しめられないように 私を君の過去から消してね。       「 嫌気 」   以前とあるバンドマンが、 「人が何かから離れていくとき、声色や匂いや表情一つ一つを順番に思い出せなくなっていくものだけれど、ちゃくらの音楽の最後に残るものは言葉なんだと思う」と話してくれたことがある。 それなら私が恋をしたとき、最後に残るものと残せるものはなんだろう、   これまで私は、ちゃくらの曲と言いながら個人的な恋愛の後悔や言えなかった本音を歌詞にしてきた、それは誰かに共感してほしいという気持ちは勿論、本人にもこの歌詞を読んでくれと思っている節が確かにある。   職権乱用といわれたら本当にそうですごめんなさいとしか言えないのだけれど、、、 故に好きな人に最後に残るものが言葉であってほしいと願っているのだと思う。   初めて強がりの歌詞を書けてしまったのは復讐か、私は君が居なくてもちゃんと生きられるよの嘘つきか、涙した分だけ歌詞にして全世界に君の嫌だったところを見せて君を傷つけたいと思うからか、どれにしても自分の小さな器のせいだ。女の子はいつまでも執念深く、ちゃんと毒を持っている。   死ぬほど会いたいともう二度と会いたくないの繰り返し。 見せてこなかっただけでね、 君の嫌いなところちゃんとあるんだよ 嫌悪や諦めを隠すときだけは上手く笑えていた気がする。   <ちゃくら・ワキタルル> ◆紹介曲 「 何番目の人 」 作詞:ワキタルル 作曲:ワキタルル 「 嫌気 」 作詞:ワキタルル 作曲:ワキタルル ◆メジャーデビューミニアルバム『GIRLS BAND NEVER DIE』 2026年6月17日発売 <収録曲> 1 夏をかける少女 2 生活ごっこ 3 何番目の人 4 嫌気 5 ドール 6 社会の左 7 ちゃくらじお特別編 其の二

    2026/06/18

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