人には言えない恋ばかり

 2026年7月1日に“ペルシカリア”が5th EP『人には言えない恋ばかり』をリリースしました。今作は、ライブで盛り上がるかどうかだけではなく、繰り返し聴きたくなるメロディや言葉、アレンジの細部にまでこだわり抜かれた作品となっており、ミドルテンポの楽曲も多数収録。ライブシーンでも新たな表情を見せていくであろう、現在のペルシカリアを象徴する1枚に仕上がっております。
 
 さて、今日のうたではそんな“ペルシカリア”の矢口結生による歌詞エッセイをお届けします。『人には言えない恋ばかり』のテーマやタイトルの由来、そしてライブバンドとしての進化を経た今だからこその楽曲制作へのこだわりを綴っていただきました。



歌詞解説っていうものはいつまでも苦手で、受け手が作詞した人間の意図を探して、
勘違いしたり、逆に詩人が意図していなかったメッセージになったり。逆にそこを狙って書いたり。とか、ちょっと詩人が最初に種明かししちゃうとどこか冷めてしまったり面白くなくなっちゃう節があると思う。
 
特に「人には言えない恋ばかり」とタイトルを名付けたEPに関しては、大人なら誰しも持っているであろう、人には言えない後ろめたい感情や恋にフォーカスしているからこそ、"悪い事自慢"をしたい人間になってしまいそうで、なんとも言葉にしづらいところがある…
 
ただ、この"人には言えない恋"というのは、きっと誰しもなんやかんやあって、傷ついて悲しみや苦しみの類の感情のその先にあるものとして考えている。
綺麗な歌を歌いたい。芸術的な恋が歌いたい。なんて日もないわけではないが、どちらかと言えば他人に言えないからこそ、代弁してくれる歌や楽曲が唯一自分の味方でいてくれる気がしていて、そこまで深掘りした曲を歌いたいとは思っている。
 
根本にそうゆう曲を作っていたいとは思っているが、特にこのEPはそうゆうことを最初から意識はしていなかった。4曲のレコーディングを終え、ペルシカリアの作品ではタイトルを考える時にいつも歌詞から引っ張ってくる縛りみたいなのがどこかでできていて、今回はリード曲の「風邪」から「人には言えない恋ばかり」と名付けてあげた。「2002」以外はラブソングを歌っていて、
「スティーリング・ラブ」も造語ではあるが一応「略奪愛」という意味を込めた。逆に「初恋じゃないから」は自分には話してもらえない相手の事。"人には言えない恋"ではなく、"自分には言ってくれてない恋"という逆サイドでフォーカスを当てている為、共通点としてこの歌詞を引っ張ってきた。
 
2020年コロナ禍に結成したペルシカリアは、コロナ禍緩和の時期に企画した「歓声の先へ」以降、
ライブバンドとして磨きをかけていくことを何よりも心がけていた。ライブの中身だけでなく、今までリリースした楽曲にも強く反映されていたが、今回はどちらかというと歌を聞かせることを重視して制作した。まずはツービートを減らそう。というところから入り、制作時は「サビでツービートしてぇ…!」という気持ちを押し殺して、エイトビートになっている曲もある。ライブバンドとしてライブが強いのはもちろん大前提なのだが、ツービートや激しさを求め過ぎて、純粋な曲の良さみたいなところを細部まで突き詰めれなかったのがどうしても嫌だった。
料理失敗してもとりあえずマヨネーズかければそれなりに美味しくなっちゃうよね…っていうと、ちょっとたとえが雑すぎて誤解を産みそうだけど、他にもっとやりようがないかとライブを想像しすぎて曲の純粋さを失わないようにと心がけていた。
 
話は戻って、なぜ「2002」はラブソングじゃないのにEPに入ったのか。という話になるが、割と"作った曲はすぐ入れたい派"というのは大前提としてあるけど、今回も作品の中に"ロックバンドとしての意思"みたいなものを入れたかった。ライブバンドとして、ライブが激しくてダイバーがめっちゃ出ても、それが直接的な良さに繋がるわけでは決してなくて、今そうゆうライブをしているペルシカリアが、そうなる前にはなかった選択肢として、そこにライブバンド像が追加された。と思っていて、選べることが増え、かっこいいと思えることが増えたのだから、いつまでもいつまでも自分たちの道で、自分たちがその時一番夢中に、カッコ良いとなれているものを歌い続けようという意思表示だからあえてこのEPの一番最後の曲にした。

<ペルシカリア・矢口結生>



◆5th EP『人には言えない恋ばかり』
2026年7月1日発売
 
<収録曲>
1. 初恋じゃないから
2. 風邪
3. スティーリング・ラブ
4. 2002