終わったはずの感情にちゃんと名前をつけたかったから。

 2026年6月17日に“YRD Leo”がニューシングル「Mirage」をリリースしました。忘れたいほど大切だったひとを、今でもどこかで想ってしまう。そんな思いを描いた1曲となっております。

 さて、今日のうたではそんな“YRD Leo”による歌詞エッセイをお届けします。復縁を願うわけでも、過去を美化するわけでもない。ただ、新曲「Mirage」で描きたかったものは…。



今になって、こんな曲を書くのは、少し罪深いことなのかもしれないと思いました。
 
音楽は時々ずるいです。
たった数分の中で、本当はうまくいかなかった出来事まで、どこか美しいもののように描けてしまうからです。現実はそんなに単純ではなくて、好きという気持ちだけではどうにもならないことがありました。
 
この曲に書いたことは、どれも嘘ではありません。
ただ、それがすべてでもありません。
自分のことも、君のことも大切にしたいと思うほど、その距離の取り方は難しくなっていきました。
 
あの頃の思い出は、今でもふとした瞬間に蘇ります。
何気ない会話や約束、くだらないやり取りまで、失ってからその大切さに気づくことがあります。
忘れたいと思うほど、逆に鮮明になってしまう記憶もありました。
 
この曲を書きながら、届いてほしい気持ちと届かないでほしい気持ちの両方がありました。
 
それでも音楽にしたのは、終わったはずの感情にちゃんと名前をつけたかったからです。
 
これは復縁を願う曲でも過去を美化するための曲でもありません。
ただ、忘れたいほど大切だった人のことをそれでもまだどこかで想ってしまう。
そんな自分の弱さを、そのまま残した曲です。
 
この歌が誰かを困らせるのではなく、同じように忘れられない気持ちを抱えた人の心にそっと寄り添えたら嬉しいです。
 
<YRD Leo>



◆紹介曲「Mirage
作詞:YRD Leo
作曲:YRD Leo・kit