2026年7月15日に“androp”がニューアルバム『imperfect』をリリース!タイトル『imperfect』(インパーフェクト=不完全)には“完璧を作成しやすくなった時代、完璧を求められる時代、だからこそ迷い・傷・余白・時間の痕跡にこそ、生きている実感と美しさが宿る。”という想いが込められております。
さて、今日のうたではそんな“androp”の内澤崇仁による歌詞エッセイを2日連続でお届け。第1弾は今作『imperfect』で大事にしている「不完全という体温」について。言葉と音の「あいだ」のお話。そして、新曲「Sakura Song」に込めた思いを綴っていただきました。
・違和感と向き合う
アルバム『imperfect』は、本来4月8日に届ける予定だった。
制作を進める中で、納得しきれない違和感と向き合い続けた結果、発売を延期することになった。
形としては整っているのに、どこかに名前のない違和感が残る。そんな実体のない何かと対峙する時間が今は続いている。
メンバーを含めたくさんの人を待たせてしまっているという申し訳なさと、それでも妥協はしないという、両方の気持ちがある。
・不完全という体温
今回のアルバムは、今のandropの表現と、自分の中で変化してきた感覚をそのまま形にしようとしている。
タイトルである『imperfect』は、不完全という意味を持つ言葉。
昨今、AIの発達によって僕たちの生活は劇的に変わりつつある。
音楽の世界でも、曲を生み出すことや、リズムやピッチを整え、言葉を組み立てること自体は以前よりもずっと身近になった。だからこそ、その中で「何を残すのか」を、これまで以上に考えるようになった。
完全や不完全の定義は人それぞれ違う。それを前提としても、言葉であれば、完璧なものよりも少し揺れているものや、言葉になりきらないまま残っているもの。ピッチやリズムであれば、完全にクオンタイズされているものよりも、その「あいだ」で揺らいでいるもの。「完璧に整えること」だけでは表現できない感覚がある。
あえて「不完全」なままにしておくことでしか宿らない体温があるのではないか。完全になりきれない不完全な自分こそが、自分にとっての「完全」なのではないか。そんなことさえ思いながら、これまで以上に深く思考を巡らせている。
・言葉と音の「あいだ」
思えば昔から、感情や景色を言葉にしようとするたび、その一部がこぼれ落ちてしまうような感覚がある。言葉にしなければ伝わらない。けれど、言葉にした瞬間に失われるものもある。その「あいだ」にある自分の正解を、メロディや音の響きで少しでも手繰り寄せたい。
前に書いた「言葉の居場所」という文章でも触れたが、消えかけている足跡や、自分でも忘れてしまいそうな感覚を、もう一度掘り起こして「言葉」という居場所に置き直したいと思うこともある。今回のアルバムにも、そんな葛藤の末に生まれる音楽を残したいと思っている。
・「Sakura Song」という曲
制作が遅れているなか、本来アルバムを届ける予定だった日に「Sakura Song」をリリースすることにした。エンジニアやデザイナー、スタッフが日程を調整して、この曲をこのタイミングで届けられるように動いてくれた。
andropとして、これまでいろんな場所で音を鳴らしてきた。
桜もまた、時期は違えど日本の中を巡っていく。
別れや旅立ちの季節の中で、その先でまた笑い合える未来までをこの曲に込めた。会いたいと願う気持ちや、揺れながら進んでいく時間もそのまま音に残した。
言葉にできなかった想いは消えてなくなるのではなく、そのまま時間の中に溶けて残っていくのだと思う。それぞれの場所で、それぞれの時間を過ごしている人に、この曲が重なってくれたらと思う。
アルバムを掲げた5月からのツアーでは、今のandropとして鳴らせる音を一つひとつの場所で届けていきたい。
「Sakura Song」がその先で出会う景色に繋がっていくのを楽しみにしている。
<androp・内澤崇仁>






