惑星が生まれた日

 2026年10月7日に“関取花”がミニアルバム『気づいたら始まっていた』をリリース。西松屋のテレビCM曲「わたしの手のひらで」など新曲を加え全7曲を収録。さまざまな角度から人生を肯定する歌詞と、弾き語りをはじめミニマムな編成で無駄を削いだアレンジで、手触りのある温かく朗らかなムード漂う一枚となっております。
 
 今日のうたではそんな“関取花”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。最終回は、収録曲「ときめき」にまつわるお話です。大人になるほど“自覚的な言葉”は増えていくけれど、ラジオでの何気ない会話をきっかけに気づいたことは…。



生放送のラジオでDJをしているのですが、いつも通りリスナーさんからのメールを受けて、その流れでパートナーのDJさんと会話をしていたときのことです。
 
「ときめきって、胸の奥に小さな惑星が生まれる瞬間のことだからね」
 
どうやら私はそんなことを言ったみたいです。いや、たしかに言ったんですけど、自分としては本当にふいに出た言葉で、全然自覚的に発したものではなかったので、言ったこと自体を半分覚えているような、いないような、そんな感じでした。
 
ところが、番組SNSのタイムラインを見たら、たくさんの方がその言葉にハッとしてくれていました。目の前で話していたパートナーのDJさんもです。
 
自分自身は事態を把握できていないけれど、なんだかこれは、すごく美しい瞬間に立ち会わせてもらっている、そんな気分になりました。生まれたての赤ちゃんの瞳で世界を見ているような感覚でした。ワクワクしました。ドキドキしました。自分の中の無自覚な光がきらめいたのを、たしかに感じました。
 
大人になると、自覚的な言葉を発することがどうしても増えていきます。反射的に出る言葉でさえ、脳内ではものすごい回転数で、「この言葉にエラーはないか」ということをチェックしてから口に出している気がします。立場や環境、人間関係など、気にすることもいろいろと増えるからでしょう。それはある意味では大人になるということですし、必要なことだと思っています。私も、そうしながら生きている人間の一人です。
 
でも、だからこそ、さっき話したラジオでの出来事が、本当に嬉しかったんですよね。自分のことなんて大体わかったつもりでいたけれど、この胸の奥には、まだまだ名前のない惑星がたくさん眠っているのかもしれない。そう思うと、未来が本気でちょっと楽しみになりました。
 
それと同時に、惑星は探しに行くものじゃなく、勝手に生まれるものだとも思いました。次に生まれてくれるのがいつかは分かりませんが、気長に待とうと思います。いつかそれが、新しい歌になることを願って。
 
<関取花>



◆紹介曲「ときめき」
作詞:関取花
作曲:関取花

◆ミニアルバム『気づいたら始まっていた』
2026年10月7日発売

<収録曲>
1 それいけ!ランドセル
2 わたしの手のひらで
3 趣味です
4 あなたはきれい
5 ご報告
6 わたしのねがい
7 ときめき