彼女たちの本当の叫びとはなんなのか。

 2026年10月21日に“ao”が新曲「Call」を配信リリースしました。11月13日(金)に公開となる映画『呪いのスマホ』の主題歌です。サウンドプロデューサーのTAARによる重厚なトラックと、そこに重なるaoの切なくも力強い歌声が、惨劇のスピード感と見事な化学反応を起こす1曲となっております。
 
 今日のうたではそんな“ao”による歌詞エッセイを2週連続でお届けします。第1弾は新曲「Call」にまつわるお話です。映画『呪いのスマホ』から受け取った、恐怖だけでは言い表せない感情。そして、ある夜に生まれた印象的なフレーズとは…。



彼女たちの本当の叫びとはなんなのか。
 
ホラー映画でこんなこと、ほとんどの人が考えないとは思うが、映画『呪いのスマホ』を見て率直に思ったことはこれだった。何故彼女は死んでもなおここに居続けるのか、何が彼女をそんなにも引き止めるのか。1回目を見終えた時には、呪いや怨念だけではまとめきれない複雑な感情を“ホラー映画のお化けから受け取ってしまった”という不思議な感覚になった。
 
曲の構成を決めていたときにはもう3回目を見終わっていた。その時点でDJであるTaarさんから大体完成された音源が来ていた。怖い部分だけじゃなく、どうしてもやり切れないそんな胸苦しさが感じられるTaarさんらしい繊細な音作りのされたトラックだった。
 
作詞の作業に本格的に取りかかりはじめたのは、Taarさんの音源を初めて聴いた日の23時40分頃。同じシーンを繰り返し見て考え込んでいた時だった。
 
 
 
「こっちにきてよ」
 
 
 
急に後ろからそんな声が聞こえた。聞こえた気がしたわけではなく、本当に聞こえた。振り返ったらスタッフさんだった。真っ直ぐな目で私のことをみて、言った。 そう、この曲の印象的なフレーズである「こっちにきてよ」はスタッフの一言がきっかけだった。
 
「こっちにきてよ」には色んな意味が感じられる。死の淵へ招かれるような怖さも感じるし、今度は私を信じていいからお願いだからこっちにきてよ、という誰かへの叫びにも聞こえる。
 
「Call」ではそんな二面性を音と歌詞の中で表現している。
 
自分勝手でいることしか出来なかったこと、だからこそ伝えたかったこと、そして伝えられなかったこと。最期に電話でもいいからあなたに伝えたかった強い想いを、聴いてる人が感じてくれたらいいなと思う。
 
<ao>



◆紹介曲「Call」
作詞:ao
作曲:TAAR・ao