2026年10月21日に“五十嵐ハル”が新曲「無垢」をリリースしました。同曲は、ゲーム『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』の公式テーマソング。葛藤を抱えながらも前へ進もうとする想いを歌い上げた楽曲となっております。
今日のうたではそんな“五十嵐ハル”による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、新曲「無垢」にまつわるお話です。音楽によって自分を救う一方で、誰かから「あなたの曲に救われました」と言われる。そんな作り手と聴き手の、不思議なつながりとは…。
ゲーム『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』のテーマソングを担当させていただくにあたり、作品の世界観を描くつもりで歌詞を書き始めた。
ゲーム『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』のテーマソングを担当させていただくにあたり、作品の世界観を描くつもりで歌詞を書き始めた。
けれど、気づけばまるで自分自身のことを書いているような歌詞になっていた。
書いていくうちに、作品と自分が自然にリンクしていくのが分かって、不思議な感覚になった。
無力感に苛まれ、自分自身が嫌になって、何もかも壊してしまいたくなるようなもどかしさ。
いっそすべてを無くしてしまいたい。
それでも本心を辿っていけば、本当に欲しいのは、純粋無垢だったあの頃の感情を取り戻すことなのかもしれない。
そんな日々の感情の絡まりを、破壊力のある言葉に乗せて吐き出した。
昔からそうだが、自分の中の毒ついた部分や濁った部分を歌詞として吐き出し、心を浄化している時が一番作業が進む。
書き終えてからふと、「あ、俺こんなこと思ってたんだ」と気づくこともある。
これがなかったら、とっくの昔に自分を見失っていたような気もする。
自分で自分を助ける、というのもよく分からない現象だけれど、それができてしまうのが音楽だ。
最初は、ボロボロだった自分をどうにか救うために始めた音楽だった。
それが次第に、「あなたの曲に救われました」と言ってもらえるようになった。
不思議なことに、そんな言葉をかけてもらうと、自分もまた救われたような気持ちになる。
そしてまた、誰かを救えたらと願いながら曲を作る。
作り手が一方的に何かを与えているとは思っていない。
知らず知らずのうちに、作り手と聴き手がお互いに何かを与え合える。それが音楽なのだと思う。
なんとも特殊な空間に足を踏み入れてしまったが、この空間を、まだしばらくは手放さずにいたい。
<五十嵐ハル>






