2026年7月に“YUTORI-SEDAI”から改名を発表した“YU'S”(ユーズ)が、2026年8月19日にNew Digital EP『YU'S』をリリースしました。今作には、先行配信曲「yume」をはじめ、「彼氏募集中」「嫌になっちゃうよ、」「あなたへ」の全4曲が収録されております。
今日のうたでは、そんな“YU'S”の金原遼希(Vo/Gt)による歌詞エッセイをお届けします。新たなバンド名を掲げ、最新作をリリースした今。飾らず、背伸びせず、自分たちの弱さまでもさらけ出して歌うことで見つめ直した、「あなた」との距離とは…。
今回のEPに収録された4曲は、どれも僕たちがやれることを全て注ぎ込んだ、今のYU'Sの最高到達点です。
金原(Vo&Gt):まず、僕たちYUTORI-SEDAIは、新しく「YU'S(ユーズ)」という名前を掲げて、新たなスタートを切ることになりました。
これまで活動してきた中で、僕たちは「聴いてくれる人に寄り添いたい」とみなさんに向けて伝えてきました。だけど、活動の幅を広げていくたびに、どこか俯瞰してカッコつけてしまっている自分に気がついたんです。「アーティストとしてこうあるべきだ」「結果を出さなければいけない」という固定観念や、人にどう思われるか? どう見られるか? という考えに、いつの間にか自分自身が縛られてしまっていました。
でも、僕をはじめ、メンバー3人ともみんな本当はネガティブ思考だし、自分のダメなところや弱さを自分から探しにいってしまうような人間です。そんな僕たちがカッコつけて歌った言葉なんて、きっと誰の心にも届かない。そう思ったからこそ、背伸びをするのをやめて、等身大の弱さも全部ありのままで曝け出そうと決めました。
「対みんな」ではなく、目の前にいる「あなた一人ひとり」と同じ目線で、同じ距離感で歌えるバンドでありたい。その強い覚悟を込めて、「YOU(あなた)」の複数性であり、これまでの「YUTORI-SEDAI」の歩みも大切に受け継ぐ「YU」を残した『YU'S』という名前を、新しいバンド名として決定しました。この改名を機に自分たちの根幹にある軸は変わりませんが、さらに一皮剥けたバンドになるべく新しいバンド名としてリリースをします。
改名後、初のデジタルEP『YU'S』に収録した4曲は、どれもキャラクターが全く違う楽曲たちです。だけど、その全てに僕自身のリアルな経験や感情、そして聴いてくれる「あなた」への想いだけを詰め込みました。「嘘がない」と、心の底から自信を持って言える作品です。
M1.「彼氏募集中」は軽快なポップサウンドに隠された、女の子の強がりと本音を描いた曲です。
振られた女の子が、必死に強がっているけれど本当は寂しくて堪らない……という、これまでの僕たちの王道とも言える女性目線のラブソングです。
一見、軽快でポップなメロディが流れていきますが、歌詞はとても切ないギャップを持たせています。僕が過去の恋愛の中での、「相手にこんな思いをさせてしまっていたんじゃないか」という後悔を主観で書いているので、ポップな曲調の中にもリアルな痛みが隠されています。
特にラストサビの「彼氏募集中、なんて嘘だよ」「あなたに会いたい、どうか戻りたい」という部分は、彼女の本音が溢れ出るような展開になっています。こだわった最後の<さよなら>の響きまで、主人公の心の揺れ動きを感じてほしいです。
M2.「嫌になっちゃうよ、」は、ジリジリしたシンセの音に滲む、アンニュイな恋の不満を描いた曲になります。恋人への不満が爆発しているけれど、結局は相手のことが大好きで堪らないという、ちょっとエッジの効いたリアルな恋愛のワンシーンを描きました。
歌詞に漂うアンニュイな雰囲気や、主人公のピリピリとした焦燥感を表現するために、クリアな音ではなく、あえて少しジリジリとした質感のシンセサイザーの音色をバンドサウンドに混ぜています。また、主人公のイライラしてつい言葉を畳み掛けて相手に話すような様子も韻を多く踏むことで表現しました。
歌詞に関しても、「また飲み会?は?知らねぇよ馬鹿!」など、僕はあまりとげとげしすぎる歌詞は入れないのですが、「嫌になっちゃうよ」は全体の雰囲気も合わせて、普段歌詞にしないような言葉遣いも入れてみました。
<言葉じゃなく行動がさ、愛なんでしょ?>というフレーズに象徴されるように、デジタルな現代の恋愛における、脳内でみんなが抱いている感情を覗き見するような感覚で聴いてもらえたら嬉しいです。
M3.リード曲の「あなたへ」は拙くてもいい、目の前のあなたを照らす決意表明。このEPの代名詞となる楽曲であり、まさに今の僕たちの決意そのものである楽曲です。また、僕自身、J-POPの王道の楽曲がとても好きで、自分で納得できる等身大のメッセージを込め、真っ直ぐに曲にしました。
これまでは、「誰もついてきてくれなくなるかもしれない」と怖がって選べなかった、<"もう駄目だろう"なんてさ、また考え出している>というリアルな弱音から歌が始まります。上手い比喩表現や言葉遊びでカッコつけるのではなく、僕が普段喋っているような拙い言葉で、目の前のあなたへ直接語りかけるような歌詞に徹底的にこだわりました。これまで書いてきた歌詞以上に僕の包み隠さない本心を綴っています。
これまでは「結果」ばかりを追い求めて、一番大切にすべき「あなた」を蔑ろにしていたかもしれない。そんな気づきを経て、<頼りない歌でも あなただけに歌えたらいい>という、僕たちの本心がまっすぐに届くことを願っています。
M4.「yume」は3人の音が紡ぐ、メンバーへの赤裸々な想いを語った歌です。
この曲に関しては、数年前に制作し、ライブでもずっと大切に育ててきた楽曲ですが、改名という大切なタイミングで音源化しました。実はこの曲は、僕が初めてメンバーに向けて書いた曲なんです。数年前、ドラムの櫻井が、「バンドを辞めたいかもしれない」と打ち明けてくれたことがありました。当たり前のように3人で音を鳴らしている日常が、実は当たり前なんかじゃなくて、奇跡みたいな特別さなのだと身を以て痛感した。その時の歯痒さや切なさをそのまま歌詞に閉じ込めています。
あえて3人のバンドサウンドだけで演奏しています。僕たちの「夢」がこれからもずっと続いていく、その誓いの曲でもあります。普段は恥ずかしさもありそこまでメンバーへ面と向かって真面目なことを伝えるタイミングもあまりない中で、僕にとってもすごく大切な1曲です。メンバーへの曲は最初で最後かもしれません(笑)。
今回のEPに収録された4曲は、どれも僕たちがやれることを全て注ぎ込んだ、今のYU'Sの最高到達点です。
僕たちの音楽を愛してくれるあなたのすぐ近くで、この歌たちが一人ひとりの心に寄り添い、照らす力に変わることを信じています。新生YU'Sの始まりの音を、どうかあなたの等身大の心で聴いてください。
<YU'S・金原遼希>
◆New Digital EP『YU'S』
2026年8月19日発売





