秘すれば花

抱いてくれとは いいません
心だけでも くだされば
恋に溺れて 鳴く蝉よりも
鳴かぬ螢が 愛おしい
あぁ、秘すれば 花
髪を みだして
闇を思慕(おもい)が ひた奔る

一夜(ひとよ)だけでも いいのです
ひとめだけでも 逢えたなら
寝ても覚めても 恋ゆえつらく
もらす吐息が やせてゆく
あぁ、秘すれば 花
忍ぶ くるしさ
夜の手鏡 紅をひく

一途すぎると わらいますか
燃やすいのちの はげしさを
恋はせつなく ただたえがたく
生きるこの世は やるせなく
あぁ、秘すれば 花
触れも できずに
熱きこの乳房(むね) 知るや君
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