夏のとなり

「どっち?」
「こっち。」
白線だけを踏みながら
またひとつ角を曲がった

「まだ?」
「まだ。」
綿毛は髪にほどけて
追いつける気がしたんだ

水たまりを飛び越えて
笑って坂を駆け下りる
靴紐はほどけたまま
振り向けば 茜

風吹けば 踊っていよう
今はただ 揺れていようよ
影が長く伸びていく
虫達の音が変わるまで
答え合わせなんて 後でいいよ
今はただ 揺れていようよ

「あ、ねえみて」
羊の雲数えて
思い出せないまんま

「なんていった?」
柔らかく夕に溶けた
あの日が眩しかった

荷物は少し重たくて
星空ばかりを見てる
靴跡を残したまま
月だけやけに 綺麗で

花散れば歌っていよう
永遠なんてないよ
忘れたくはないのに
夏に手を振るように

風吹けば 踊っていよう
今はただ 揺れていようよ
影が長く伸びていく
虫達の音が変わるまで

花散れば歌っていよう
永遠なんてないよ
忘れたくはないのに
夏に手を振るように

ポケットの中にあの夕日をしまえたら
いいのにな

今は…

今日だけはこのままいようよ
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