来ぬひとを 待つ夜は長く
月満ちて 雲に欠けゆく
炎(ひ)のごとく こころは燃えど
肩に冷(つめ)たし 洗ひ髪
あなた 何処に…

盆すぎの 軒端(のきば)の秋虫(むし)に
おんな虫 連れて泣くころ
おぼろげな 契りをたぐり
指で遊びし 洗ひ髪
あなた 恋しと…

愛しきは 苦しきことと
手鏡の吾(われ)に 聞かせる
溺れゆく おんなの性(さが)の
濡れて絡(から)みし 洗ひ髪
あなた 命と…
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