Myuk
歌うことは、自分の物語と誰かの物語を繋げてくれるもの。
メジャーデビュー5周年の2026年2月4日に“Myuk”が2ndアルバム『Celeste(読み:セレステ)』をリリースしました。アルバムタイトルは“青空/空っぽ”の意味を持つラテン語。今作には、先行配信曲「雪唄 - yukiuta」など新曲4曲を含めた、全9曲が収録。5年間の集大成をまとめた作品となっております。
さて、今日のうたではそんな“Myuk”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は、収録曲「 じゅもんを唱える 」にまつわるお話です。自身にとって音楽とはどんなものなのか。そして、歌うことにはどんな力があるのか。改めて知った、その答えは…。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。
小さい頃、小説や漫画を描くことが好きでした。
旅行やアニメや映画、読書、絵画、
非日常への没入方法は人それぞれ、様々ありますが
その中でも私が一番好きな逃避行は、自分の空想の中に入り込むことでした。
それは誰にも話さない自分だけの秘密基地のようで、
放課後はその秘密の物語をノートに書き写すことを楽しみに家に帰っていました。
Myukとして大切にしていることの中に、「没入感、ファンタジー」というものがあります。気づいたら、Myukとしてそういった空間を作りたいと思うようになっていたのですが、これは、私の幼少期の宝物のような逃避行、現実を生き抜くための空想を誰かと共有したいという幼い頃からの願望なのかもしれません。
私にとって音楽は非日常への入り口であり、自分だけの秘密基地であり、なるべく真っ直ぐ生きていくためのおまじない。
そして自分の物語と誰かの物語を繋げてくれるものでもあります。
だからこそ、それを紡ぐ歌は、語り部である声は、
どんな物語にも寄り添えるようフラットに、そして情熱的でありたい。
目を閉じれば情景が浮かんできて、季節の温度が伝わり、風の匂いがして主人公の切ない表情と、その複雑な感情が音楽を通して、流れ込んでくる。
そういう時、鳥肌がたつような心地がします。
流れている音楽と目の前の風景と今の自分の感情がぴたっと重なり合ったような、、
これが感動するということなんだと、私はそんな瞬間がとても好きです。
もし、私たちが感動するために生まれてきたのだとしたら、
感動を作るという仕事はとても重要で、心を使い果たさなければ到底、達成し得ないのかもしれません。
でも私の人生の感動の殆どは音楽や歌によるものだったので
きっと歌うことに惹かれて、これからも鳥肌がたつような感動のために、そんな涙や喜びを誰かと共有するために、歌っていくんだろうなと思います。
この楽曲は、「人生がもしスゴロクのようだったら」という疑問から始まり、そのテーマを念願叶い楽曲制作いただくこととなったセンチミリメンタル・温詞さんにお願いして、生まれた1曲です。賛美歌を思わせる壮大なサウンドの中で小さく握りしめるように唱えられるおまじない。
呼吸は続く 死ぬまで
鼓動は続く 死ぬまで 人生は続く 死ぬまで
悲しみは続かない 死ぬまで
この言葉の重みを然るべき表情の声で伝えられるだろうか。
仮のワンコーラスをレコーディングしたのは2024年12月だったのですが、私はその時、この曲の情景が浮かんでいませんでした。
この曲は自分に伝えられるのだろうか、なんだか言葉の表面をなぞって歌っているだけのような感覚で、この曲の主人公は自分が知っている「苦しみ」という感情よりも、もっと深いところで叫んでいる気がして、自分の歌では表現しきれない。そう思っていました。
フルをレコーディングした8月、私は別の目的のため、念願だった一人旅をしました。
とはいえ、一泊二日だったのですが。そこで忘れられない出会いがあり、そこで過ごした時間は、この曲に込められた“もう一度、立ち上がり芽吹いていく”ような力強い物語を教えてくれて、そのおかげで私はこの曲が本当の意味で歌えた気がします。
「歌うことは、自分の物語と誰かの物語を繋げてくれるもの」
そう思い返し、また「歌」というものが好きになりました。
私は、その人の喋り口調や声色には、生き様とか人生とか、そういうものがのっているんじゃないかと思っています。そして歌の波動には、経験がにじみ出るんじゃないか、と。
だから色んな経験をしたい、そう思ったりします。
どんな経験もきっと旅のようなものだし、インドアなので、まだまだ一人旅をして知らない景色を見てみたい。そしてまた歌にしたい。
表現者として生きることは、その繰り返しで。
「どんな感情も経験も記すことで力に変えることができる」
そうだ、音楽のこういうところに惹かれて歌ってきたんだ… と、
改めて気づかされたような気がしました。
「じゅもんを唱える」
あなたに届いたら、嬉しいです。
<Myuk>
◆紹介曲「 じゅもんを唱える 」 作詞:温詞 作曲:温詞 ◆2ndアルバム『Celeste』
2026年2月4日発売
<収録曲>
M1. 雪唄 - yukiuta
M2. まるまる
M3. Sakura
M4. BlackSheep
M5. マリー
M6. じゅもんを唱える
M7. 花はかぐや
M8. グライド
M9. Celeste