人生ハードモード

 2026年3月4日に“Furui Riho”が3rd Album『Letters』をリリースしました。今作はそのタイトルのとおり、Furui Rihoが誰かに向けた手紙のように想いを綴った楽曲を集めており、聴く人の心に寄り添う、温かくも芯のあるメッセージが詰まった作品。TVアニメ『CITY THE ANIMATION』オープニング主題歌「Hello」などを含むシングル曲に、新曲を加えた全11曲が収録されております。
 
 さて、今日のうたではそんな“Furui Riho”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。第1弾は収録曲「ハードモード」にまつわるお話です。自身に立ちはだかる高い壁。年々高くなってゆく壁。明るい言葉を口にする気力すらなかったからこそ、生まれた歌とは…。



「こんな明るい歌、かけるかよ!」
 
数ヶ月前に書いた、やけにHAPPYなサビ。
私はそれを、少し恨めしく思っていました。
 
「みんなが元気になるような曲を書きたい」
そう願いながら、自分で貼った“明るい人”というラベルを
剥がすまいと必死に演じてたような気もします。
 
昨年は、私の人生で一番のハードモードでした。
毎年、目の前に高い壁が現れて
「もうこれ以上は登れない」と
自己最高記録を更新し続けているのですが
不思議なことに、壁は年々高くなっていきます。
 
まるで神様が、
「はい、この壁は越えられたね。じゃあ次!」
と言って、私をどんどん強化しているかのようです。
 
そんなわけで、2025年もまた高い壁を登ることになりました。
そこで立ちはだかったのが、この曲「ハードモード」
 
毎日目が覚めても、また目が覚めても、
アイディアは浮かびません。
世界に自分だけ取り残されたようで、
時間ばかりが過ぎていきます。
 
「今日もまだ何もできていない。」
それが口癖になり、心の中は曇り空。
 
曲作りをする中で
人を元気づける歌を書くのは本当に難しいです。
「元気出してね」
「大丈夫だよ」
そんな言葉は、上辺だけならすぐに書けます。
でも本心が伴っていなければ、すぐに見抜かれてしまいます。
ましてや、そんな明るい言葉を口にする気力すらありませんでした。
 
「誰がこんな奴の歌を聞きたいんだよ」
そう独り言を呟きながら、曲と睨めっこしていると
ふと気づきました。
これを、そのまま歌詞にすればいいのではないか。
 
アルバム『Letters』に収録する曲たちは
誰かのために書いていたのですが
わがままに、自分に宛てて書いてみようと思ったのです。
それがアルバムのリード曲になるとは知らず。
 
結局この曲が完成したのは、
レコーディング当日、スタジオに着いてからでした。
数時間前までメロディも決まっていませんでした。
まさにハードモード。
 
リード曲なのに、こんなにも正直で、少し投げやりで、
どこかふざけている内容に
スタッフもきっと驚いたことでしょう。
 
この人生出来たらイージーモードで生きたいのですが
誰かを本気で感動させたいのなら
物語を語り、愛を歌うのなら
私はきっと、少し遠回りをしなければならないのだと思います。
光が強ければ、影もまた濃くなるのかもしれません。
 
「でも、あの時もやれたじゃないか」
自分に宛てたこの手紙は、
2026年の私への応援ソングになるのでしょう
今年もやってくる壁をよじ登っていこうじゃないか
 
そうやって続くのさ
人生は
人生は
 
<Furui Riho>


◆紹介曲「ハードモード
作詞:Furui Riho
作曲:Furui Riho・Sayo Oyama・knoak



◆3rd Album『Letters』
2026年3月4日リリース