詩人に口無し

先輩、僕もうだめなんです
目的論が否定されちやつた
あの娘はスクールバッグにね
大森靖子のバッジをつけて

わたしよりうまくこわれてる
あんなふうにぶちのめされた世界
誰もいない図書館でキメる
マルドロールの歌
エロスの涙

はわたしを解体する一冊の本
でも到底届かない
あなたの唇が語る悲劇

詩人に口無し
あるのは罪を並べ立てた
月のプラモデル作りと
ああ荒野
荒野みてえな気持ちに1人なるのみ

詩人に口無し
あなたに届く
はずもない手紙を1人書いて
銀河系に
嘔吐する
血に塗れた母国語であなたに放火す
る

詩人に口無し

ようこそ地獄へ
自己意識という牢獄へ
セロトニン受容体を
おまえから剥奪する

レトリックをあなたに
差し上げるとしよう
天気も占えない
拷問みてえなレトリック

善と悪が同じものでないのであれば
裁きの日に僕はどうなってなってしまうことだろうか…

ロードサイドへ均されたぼくらの音楽室に
鳴り響く玉音放送
あなたの唇が語る悲劇

、。「」を が は <デアル> オエ
文語が逆流して二日酔いの今日を以て
わたしは死人になってしまいました
終いだ

詩人に口無し
豚、お前もか
まやくよりはやく心臓を刺す夕暮れの
真っ赤さへ
だれの隠喩もたどり着けない赤さへ

詩人に口無し
日本語から意味を
没収して俺が作るピラミッドの巨石にしてやる
語りえぬすべてを語って神の臓物を七輪で焼いて食っちまう
さらにそれゲロで吐いちまう
死なず詩ぬ

逆流性食道炎の
ツァラトゥストラに肩を噛まれて
白紙に死がおっこちてくる
能書きたらたらこくんじゃねえ

南無阿弥陀
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