歯形

ガムみたいだ丸まった君が
靴の裏にも髪の毛にも引っ付いて離れないまま
馬鹿みたいだ唇の周りに残った
涎の味だとか匂いが臭くてまた愛おしくなった

噛めば噛むほど君を知った気になっていた

今気付いたんだ好きだった
君はとっくに僕を捨てていて
味がなくなった僕はずっと
噛んでいたようで噛まれていた

一瞬の勘違いですれ違い 話し合いはなし
かじかんだ僕の手に笑ってキスした意味教えて
どうせならもう飲み込んでほしかったよ
そしたら一生心臓の辺りに住み続けるよ

アスファルトに寝転がるグチャグチャになってこびり付いてる僕

いかないでって 中指で先を撫でた夜のこと
それは微温くて汗ばんで僕を腐らせた

きっと二人を離した理由なんて小さなこと
何もしなかった僕だけが置いてかれただけ

今気付いたんだ好きだった君はとっくに
新しい誰かと
味がなくなった僕はきっと
街の片隅がお似合いだろう
君の歯形を残して
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