遺書

例えば、
お散歩中に見た花、
無性に寂しくなる夕間暮れ、
いくつも表情を見せる青色、
言わん方がいい言葉も

このちまい人間の生活を、
目が離せなくなったものどもを、
ここに叩きつけたい
残らず書き尽くすまで

おれはこうしておれの今をちゃんと救ってあげたい

知らねえ場所の、
知らねえ未来の、
知らねえあなたに、突き刺さって抜けなくなって…
そんなんはクソどうだっていい!

眠ること、
飯を食うこと、
海を見ること、
この人生を消費すること全部で、これを描いて生きる

「無人島にひとつ、何持っていく?」
世界一くだらない質問に
馬鹿らしくも「この営み」と脊髄で答えてしまった

誰もおれを知らない世界の隅っこにチマチマと傷を残していくような
贅沢な遊びで
死ぬまで生き急いでいたい

悲しい時は悲しいと言う…人と同じようにはいかない
このたましいのための寝床、こさえてやらなきゃな

知らねえ場所の、
知らねえ未来の、
知らねえあなたに、突き刺さって抜けなくなって…
分不相応な妄想もしてる

魂がすり減っていくほど、
自分を嫌うほど、
また愛おしくて手が心を追い越すから
これを描いて生きる

おれはここにいる!
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