叶わない恋だった

映画はまだ
話を始めてくれはしないから
小指でやさしくあなたの
手を触ってみたよ

改札前 向こうで
手を振る姿を見送って
思っていたこと
言えなくて後悔した

「それじゃまたね」とか「さよなら」とか
その言葉じゃなくて
「愛してる」や「大好き」を
くれたらそれだけで
幸せと思えたよ

行き場のない
叶わない恋にも宛名はあって
ポストの底 色褪せてく
背中を想ってる

終電の中
コートに染み付いた冬の香りが
思い出ほどいて
瞼を重くさせた

荷物になる程永い夜に
愛をばら撒けたら
手放すのは諦めじゃなくてさ
かなしいと思ったその訳だ

思い出したあの曲のメロディが
帰りの道を照らして針を動かしてる
そういえばさあの時言えなかった
バカだったよ
月並みすら空に溶けた

だからきっと きっとこの話は
何十年後もずっと 秘めておくから
悲しく さみしくなる前にね
ちゃんと愛した証を置いておくから

いつまでも大切にして
とっておくから

また出会う誰かのために
しまっておくから
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