帰郷

ふりかえらずに
辿ってきた道
ひとり眺めている
はじめての景色のように

眠るふりで
肩に揺られたことを
遠くに響いてた
大人たちのざわめきを

眼差しに色がついたなら
どんなに綺麗なグラデーション
誰かの大切な人だった
ここには思い出があるから

甘い夏の果実
やわらかなブランケット
盗み見た横顔の
向こうの眩しい夕暮れ

冷たい頬に
触れた指の気配
吸い込まれそうな空と
それぞれの沈黙と

立ち向かえなくてもいい
身体に眠る愛が言う
誰かの大切な人だった
ここには思い出があるから
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