タヌキネイリ

隣で寝てる君の背中をぼんやりと眺めていたら
いつの間にかまたテレビみたいにあの女が映っていて
今も忘れられないのね ならね あのね 決めた じゃあね
とか言ったらますますこの女は図に乗って付け上がるだろう
挙句の果てには貞子みたいに飛び出してきたりして
とか考え出すと無性に腹立つ
それでふと気になって君の顔を覗き込んでみたら
宿題忘れて廊下に立たされてるみたいな顔してて
男は黙って背中でどころか語られちゃってるじゃん

今日に限ってねがえりも打ちやしない
いがらっぽい気持ちで奥歯噛みしめる
奇跡どころか誰も起きない何この感じ

隣で寝てるノコギリみたいな君の歯ぎしりで切れた
ちょっとうしろめたい過去と今を繋ぐ糸
まるで化かし合いみたいだね君が狐なら僕は狸

今日にかぎって寝惚けて抱きつきもしない
埃っぽいシーツに夜が積もってく
寝違えた首 間違えてクビ
もう朝だ朝だ朝だ朝だでも
奇跡どころか何も起きない誰この女
×