日々呉々と

明(あ)かし命の産声(うぶごえ)が 春待つ 故郷(こきょう)にこだまする
母とつないだ小さな手 黄色帽子が列をなす

昨日と同じ陽が昇り 昨日と同じ夕陽がにじむ
繰り返すことの喜びを きっと倖(しあわ)せと呼ぶのでしょう

日々呉々(くれぐれ)と揺蕩(たゆた)うことを
きっと慶(よろこび)と言うのでしょう

あの年に空に還った 齢(よわい)の命に手を合わす
止めどなく流した涙 今もどこかで雨となる

昨日と違う月を見て 昨日と違う我が身と出会う
無知(むち)たることを知ることを きっと倖(しあわ)せと呼ぶのでしょう
愛されるより愛することを きっと慶(よろこび)と言うのでしょう

昨日と同じ陽が昇り 昨日と同じ花が薫(くん)じる

頼り頼らるる喜びを きっと倖せと呼ぶのでしょう
誰かのために働くことを きっと慶(よろこび)と言うのでしょう

日々呉々(くれぐれ)と揺蕩(たゆた)うことを きっと倖せと呼ぶのでしょう
×